こうした政治状況の中においても、われわれ労働者・中小企業は闘いを止めるわけにはいかない。

むしろ、あらゆる産業・地域でこれまで以上に圧倒的多数の労働者と中小企業が大同団結し、少数である大企業の支配を打ち破る闘いの再構築が求められている。

関西のセメント・生コン産業では、今まさに湖東地域でそうした大企業支配を打ち破る労働者・中小企業の闘いが展開されている。　

★　ある生コン協組では順調に新価格を収受　★

ある生コン協組は、本年４月１日より新価格（１５４５０円／?）の収受に取り組んでいる。

この取り組みは、協組理事長の強いリーダーシップと労働組合の全面的な支えによって順調に推移している。新価格を打ち出したことで駆け込み物件が発生し、単月度の受注量が増加。

７月からは新価格での受注物件も出始めるなど、成果が着実に実りつつある。

関生支部としては、協組による新価格収受が軌道に乗るまで一切手を緩めることなく、大規模な大衆行動を展開する構えだ。
　

【　近江八幡での示威行動　】

★　直系主導のK協組、専業社は倒産の危機　★

このように、リーダーの「闘う」姿勢によって前進している地域がある一方、OK協組は、執行部の誤った方針によって崩壊の危機に直面している。

全国に先駆けた現金回収・瑕疵保証・品質監査補助員制度・年間休日１２５日など、労使が共同で築き上げた画期的な成果を捨て、労組との対決姿勢を露わにし、数量確保と称して値引きを実行。

その結果、数量確保はできないまま値下げ競争が激化し、協組員である専業社は倒産の淵にある。
　
一方で直系社は、資金力・情報力を使って、ゼネコンとの共同認定や大臣認定を取得し、高強度・高付加価値の生コンを独占的に販売。大きな利益を得ている。

また、セメントメーカーはこの混乱に乗じて拡販を狙い、アウト育成を進めている。

セメントメーカーに乗っ取られた大阪広域協組は、ゼネコン・セメントメーカー・大手販売店と結託し、中小企業を食いものにしている。

★　業界再建への処方箋、労使が共同し実行を　★

こうした現状を打開し、倒産の危機にある中小企業を救うには、これまでも提言している次の５項目を実践する以外にない。

第一に、協同組合の理念に反する役員の辞任を求める。

「数量確保と称する値下げをストップする」「労働組合との協力関係を堅持する」「ゼネコン、販売店、セメントメーカーとの対等取引関係を確保する」「協同組合は、一人は万人のために万人は一人のために」の理論を実際の運営に活かす。

第二に、当面は、南大阪・阪南地域での大同団結を推進し、値戻しに取り組む。
効果が現れれば府下全域に拡大する。
　
第三に、販売価格は、標準物（18：18：21）を１万８０００円とする。
契約形態は、２０１３年４月１日以降に出荷する全ての物件から適用する。

第四に、南大阪・阪南地域への越境・安売り・ただ乗りが発生した場合には、必要な対応策を実行する。

第五に、適正価格収受のチェック機関が必要であり、その費用は受益者負担とする。


この提言を基本に、各地域の実情を加味して直ちに実行することが関西の生コン業界再建の道筋であり、労働者の雇用確保・中小企業の経営安定への早道だ。