◆　労働者が主人公の世の中へ

関生支部は誕生して４７年であり、新しい飛躍が求められている。
関生支部の運動は、日本の労働運動の中でも特筆すべき所が多く、賃金･労働条件が高い。

構造不況業種と言われる中でこれだけの成果があるのは、私たち関生支部が闘ってきたからです。４５年前まではトラック・バスが花形だったのに今は逆転している。同じ構造不況業種でなぜこれ程開きが出てきたのか？それは闘いの成果である。

労働条件や賃金を良くしていくには労働者の団結を背景にしながら資本と果敢に闘うことが必要。闘い方についても中小企業の二面性を分析して、中小企業を自分たちの側に引きつけて闘っていく。それを実現するには「政策闘争」が必要である。

中小企業を大企業の収奪から守っていく。あるいは大企業の収奪に抵抗できるような運動をしていく。それが経済・産業の民主化である。
時代は我々が追求する共生共同しか道がない。市場原理主義やグローバリズムは完全に崩壊した。少数の者が多数を支配してきた資本主義は終焉を向かえている。そう遠くない将来、労働者が主人公となる世の中が来ると確信する。

◆　頼られる求められる組織に　

今、人と人との繋がりが阻害されている。これは権力者が意図的にそうしてきた結果だ。今の社会では1人1人が不満を持っている。その声を要求に変え、指針を示していく必要がある。この指針の下に結集させ、要求を実現していく。これらの作業がねばり強く展開されていれば、労働者が持っている潜在的エネルギーを組織化することが可能。
これらを着実に実践すれば、組織は飛躍的に前進する。
関生支部は、１９８０年から２年間で２５００人もの労働者を組織化した。それは、集団交渉・１０４日の休日・優先雇用協定の定着などの成果があったから。今は、これと比較にならない程の大きな成果があるので、一層の拡大が可能である。


多くの労働者が結集するには、「頼られ、求められる組織」であることが必要。具体的には、要求を獲得する能力をどれ程持っているかが要だ。
地域によっては、要求実現が困難な所もあるが、どんな状況でも要求を高々とかかげることが不可欠。“戦略は不動、戦術は柔軟に”という言葉がある。労働組合が要求を抑制するようでは労働組合ではなくなってしまう。さらに、最善を尽くす前から壁をつくってしまうと労働組合ではなくなる。

個別の要求に加えて、地域・産業をいかに変えていくのか？そしてその先には経済構造・社会構造をいかに変えていくのか？そういう視点に立った要求づくりと運動のあり方を追求すべき。そうすれば組織も組合員も成長し、さらに組織が拡大する。

◆　不退転の決意で奮闘しよう

満足は堕落の始まりだ。運動は限りなく続いていく。満足することなく、絶えず新鮮な感覚で臨んでいく。イマジネーションとクリエーションという２つの想像力・創造力を働かせ、感性を広げていかなければならない。このことを胸に、不退転の決意で全組合員が奮闘しよう！

◆　解雇無効の勝利判決が確定　

１１月８日、Ｉ産業分会の組合員が闘っている「地位確認等請求訴訟事件」で、最高裁判所は、２月２２日に大阪高等裁判所が下した判決を支持し、会社が行った上告の申立を棄却。
組合員の解雇無効が確定した。
　
組合員は、２００９年２月に「就労中の事故の報告が遅れたこと」を理由に解雇され、現在に至っている。
この解雇は労働組合敵視政策を取り続ける会社が組合員の起こした些細な出来事を理由に２００８年１２月から翌年４月にかけ、３名の組合員に対して立て続けに行った解雇攻撃の一つ。

他の２名の裁判同様に解雇無効判決が出されているが、最高裁の判決は今回が初めてで、それも組合全面勝利の判決である。

またこの裁判は労働組合として、大きな成果を勝ち取ることの出来る裁判であった。

今回の解雇で組合と会社が交わした協定の中で「身分・賃金・労働条件」の変更は「組合と事前に話し合って決定する」という文言が書かれていた。しかし、会社の主張は「身分の中に解雇は含まれず、組合と解雇協定は締結していないので解雇は有効である」というものだった。
ところが、一審と二審で「身分変更の中に解雇は含まれる」と判断され、今回の最高裁での判決がどうなるのか注目されていた。

◆　身分の変更に「解雇」も含む

今回の判決で、「身分問題に解雇が含まれる」と判断されたことで、日本の労働組合の協定書では、解雇協定を結ばなくとも身分変更の中に解雇が含まれるということになる。大きな成果を勝ち取った裁判となった。

◆　多くの仲間から励まされて

　今回、勝利判決を受けた組合員は「最高裁で解雇無効を勝ち取ったのは、素直にうれしい。解雇されてから支部に詰めるようになり、多くの仲間から励まされ闘う勇気を頂きました。Ｉ産業の争議はまだ解決していませんが、今回の判決を突破口に会社が全面降伏するまで頑張ります」と力強く語ってくれた。

くさり１２月号より