5月11日、13日、16日、関西宇部と結託した大阪府警は労組事務所をはじめ21ヶ所の家宅捜索を行い、組合員13名を不当逮捕した。弾圧の狙いは中小企業と労働者を犠牲にして大企業の利益を拡大すること、そのために労働組合をつぶして運動を止めることにある。我々はこの不当弾圧を跳ね返し、断固として運動を強化・発展させる決意である。 被疑事実とされるのは我々が昨年5月に取り組んだ団体行動で、関西宇部(代表・木村貴洋)に対する労働協約不履行是正を求める行動や、協同組合を建設・セメント独占が支配して中小企業の経営基盤を揺るがすことに反対する要請行動など、産業別労働組合として至極当然の取り組みである。それを「威力業務妨害」容疑とし、警察権力は多数の仲間を不当逮捕した。本件は09年2月に続き、関西宇部が仕掛けた二度目の権力弾圧となる。 我々は一貫してセメント・生コン関連業界の健全経営に全力を傾注し、時には仲間を殺され、猛暑・厳寒にも耐えながら、「中小企業と大企業との取引関係の改善」「生コンの適正価格、品質保証、安定供給」などの政策課題を掲げ、実績を築いてきた。このような生コン労働者の血と汗がにじむ歴史を、姑息な手段で奪い去ろうとする関西宇部とこれに結託して労働組合つぶしに奔走する警察権力の行為は断じて許されない。 この弾圧の背景には「中小企業と労働組合の大同団結」の飛躍的な前進がある。昨年は「適正価格収受」「取引条件の改善(出荷ベース)」などを柱とする産業政策課題を掲げ、生コン業界史上初のゼネストを7月~11月(139日)に渡り敢行。大林組や竹中工務店などスーパーゼネコンの圧力を排し、大阪府下3大プロジェクトの工事現場を数ヶ月間ストップさせ、「建設独占を揺るがす」としてマスコミにも大きく報道された。また、セメント値上げに対して個社で対応するのではなく、近畿圏の各生コン協同組合が交渉窓口となることでセメントメーカーによる一方的な値上げを阻止。各生コン工場は数千万円の損失を免れた。 また、今春闘ではセメントメーカーの直営工場が大阪兵庫生コン経営者会(交渉相手)を集団脱退して集団交渉潰しに狂奔した。しかし、生コン産業政策協議会(連帯ユニオン、生コン産労、全港湾大阪支部)と近畿圧送労組は、集団交渉を近畿圏9団体300社を擁する交渉へと拡大させることに成功。交渉の結果、賃上げ原資を大企業から吐き出させることによって「7,000円の賃上げ(一年分を東日本大震災カンパへ拠出)」を勝ち取った。 中小企業と労働組合の大同団結が大きな成果を獲得するなか、恐れをなした建設・セメント独占の先兵役となったのが関西宇部・木村貴洋である。同者は本年4月に大阪広域生コン協同組合の理事長となり、就任挨拶で「昨年の長期ストで失われたゼネコンの信頼を回復する」と述べている。中小企業が結集する協同組合の理事長でありながら、一体どちらを向いて信義をつくそうというのか。 過去を振り返れば、弾圧で得をしたのはひと握りの建設・セメント独占であることは明らかである。1982年の権力、セメントメーカー、日本共産党、運輸一般が一体となった支部への大弾圧と2005年からの5次に渡る弾圧によって、「ゼネコンへの過剰サービス」「セメントの一方的値上げ」「生コン価格の下落」「賃上げゼロ回答」などが蔓延し、中小企業と労働者の利益が著しく損なわれた。従って過去の弾圧と同様に我々に対する今回の弾圧は中小企業・労働者への攻撃に他ならない。 全国の仲間からのご支援・ご協力に心から感謝申し上げるとともに、我々は、逮捕勾留されている仲間の早期奪還に取り組み、組織活動・政策闘争を今以上に強化する。そして、国策として進められてきた原発・米軍基地・TPPへの反対闘争の勝利に向け、全国の闘う仲間との共闘・団結をさらに高めることこそが弾圧者への反撃であると決意する。
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