全日本建設運輸連帯労働組合 中央執行委員長 長谷川武久 全日本建設運輸連帯労働組合 近畿地方本部 執行委員長 垣沼 陽輔 全日本建設運輸連帯労働組合 関西地区生コン支部 執行委員長 武 建一
12月1日、大阪地方裁判所は(裁判官:坪井 祐子)、関西宇部事件で起訴された組合役員と13人全員に対し、懲役6月から1年2月、執行猶予3年という有罪判決を下した。 この不当判決に対し、われわれは強い怒りをもって抗議し、控訴審で無罪判決を勝ち取るために組織の総力をあげてたたかう意志を表明するものである。 関西宇部事件は、組合が取り組んだ同社に対する2010年5月の抗議行動をさして、威力業務妨害だとした事件である。 2010年、大阪広域生コン協同組合では、共同受注共同販売という協同組合のルールに違反した一部業者の安売りがまかり通っていた。ルールを守って事業活動を行う同業他社を出し抜き、自社の売上をふやすためなら手段を選ばないこの業者のような身勝手な安売りが容認されるならば、共同受注共同販売という相互扶助で成り立つ中小企業協同組合は崩壊の道をたどるほかない。そして、協同組合の崩壊は、生コンを買い叩きたいゼネコンにとっては好都合だが、中小企業と労働者にとっては倒産と失業に直結する事態を意味している。 そこで、同年5月、われわれは協同組合執行部に対し、協同組合の崩壊を避けるため、この業者にルールを守らせるよう責任をもって指導するよう求めたのだが、当時、協同組合の副理事長を務めた関西宇部は、この申し入れを無視した。こうした経緯をたどって関西宇部に対する抗議行動にとりくむことになったのである。 ルールを守らぬ身勝手な業者と、業界トップの地位にありながらその業者のルール違反を容認する関西宇部の不当な行動こそが、そもそも社会的に容認されるべきではない。 ところが、それをさておいて、逆に、ルールを守るよう求めた労働組合の正当な組合活動をやり玉にあげること自体、本末転倒な話なのである。しかも、抗議行動から1年もたってから、そして、すでにその行動の当否をめぐる民事訴訟が進行しているさなかだというのに、抜き打ちで13人もの組合役員らを逮捕し、2カ月以上も勾留し続けた。この弾圧事件の本質は、生コン販売価格の適正化と産業民主化を求めた昨年7~11月の長期ストに対する報復であり、ゼネコンやセメントメーカーの意図を代弁した警察・検察の権力弾圧以外のなにものでもない。 ところが、今回の大阪地裁判決は、われわれがとりくんだ抗議行動の目的については、「判断するまでもなく」、要するに正当なものであったかどうかは判断する必要がないと切り捨て、あえて判断を避けて通った。他方、組合員が集団で工場に抗議にでかけたこと自体が問題だといわんかりに非難を浴びせ、違法だとした。裁判官は労働組合による団体行動権の行使自体を犯罪視するかのようである。 このような不当な司法判断はとうてい許されるものではない。 関西宇部事件については全国の労働組合・団体、社会運動団体、心ある弁護士や研究者、多くの国会議員らがその不当性を厳しく批判している。無罪判決を求める団体署名が短期間で1,376通も集まり、裁判所に提出されている。 われわれは、この間寄せられた皆様のご支援とご協力に感謝しつつ、無罪判決の獲得、そして、産業民主化という政策目標の実現にむけて粘り強くたたかっていく決意を重ねて表明するものである。
抗議声明PDFファイル
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