生コン産業政策協議会を構成する労働組合代表らと関西のセメント・生コン産業各協同組合・工業組合の代表らは8月11日、経済産業省を訪れ、生コンクリートの「適正価格化に向けて関係者からヒアリングを行うなどして大阪府下の事態の円満な解決に資する施策を講じるよう」要請を行った後、厚労省で記者会見を行った。 生コン産業政策協議会と近畿コンクリート圧送労働組合の4労組は、生コン適正価格化を求めて7月2日からゼネストに突入しており、梅田北ヤードなど大阪府下の工事現場は施工休止状態となっていた。23日より適正価格に応じる物件から施工が開始され、大阪広域協組の契約する物件の7割以上で出荷が行われているが、協組が決定した適正価格に応じない大手ゼネコンが存在するため、未だ労組のストライキは全面解除されていない。 今回の要請行動は労働側と経営側が団結して事態の打開を図ろうと国に調査を要請するという形で、問題の背景には大企業(大手ゼネコン・セメントメーカー)と協同組合(中小零細企業事業団体)との間に不平等な取引形態が存在することが、経済産業省との話し合いの中であらためて浮き彫りとなった。(詳細記事へ)
要請に赴いた団体 (経営側) 大阪広域生コンクリート協同組合及び大阪兵庫生コンクリート工業組合 阪神地区生コン協同組合 近畿生コン輸送協同組合 近畿生コンクリート圧送協同組合 近畿バラセメント輸送協同組合 近畿生コン関連協同組合連合会 (労働側・生コン産業政策協議会) 連帯ユニオン関西地区生コン支部 生コン産業労働組合 全港湾大阪支部 近畿コンクリート圧送労働組合
2010年8月4日 経済産業大臣 直 嶋 正 行 様 全日本建設運輸連帯労働組合 中央執行委員長 長谷川 武久
要 請 書
拝啓 私たちはセメント生コン労働者で組織する産業別労働組合です。 現在、私たちを含む関連労組は、大阪府下で、10春闘の解決を求めるストライキを実施しています。7月2日に開始してからストライキはすでに2カ月目に入っており、大阪駅北地区先行開発プロジェクト、近鉄阿倍野駅前開発など、大阪府下の有数の大型プロジェクトの工事も休止状態となっています。 具体的な経緯は次の通りです。 今年6月27日、大阪市内で「生コン産業危機突破総決起集会」(参加2,300人)が開かれました。全国生コンクリート工業組合連合会近畿地方本部、大阪広域生コンクリート協同組合、近畿バラセメント輸送協同組合をはじめとする近畿地方の全ての関連事業者団体、及び関連労働組合が共催したもので、①生コンの適正価格18,000円の収受、②契約ベースから出荷ベースへの契約形態変更、③工場新増設反対などを決議しました。 ご高承の通り、大阪府下の生コン業界は、大幅な需要減退(16年前は年間1,000万立米、現在は250万立米)、原材料費の相次ぐ高騰、ゼネコンの買い叩きによる採算割れ価格販売が続き、100社を超す生コン業者(90%以上が資本金1億円未満、従業員100人未満の零細企業)が共倒れ寸前の事態に直面しています。この集会と決議は、危機打開のために労使が大同団結してたちあがったことを意味するものでした。今年4月から大阪広域協組は26工場の集約化事業を開始したところですが、適正価格が実現されなければ、逆に存続工場は集約化資金の返済負担が8月から増えて工場手取りがさらに滅ることになるので、集約化で構造改善どころか、集約化資金で経営悪化に見舞われた事業者の倒産が相次ぐという本末転倒な結果が生じかねません。 7月2日、この決議の履行を求めて、「生コン産業政策協議会」(連合交通労連生コン産労、全港湾大阪支部、全日建関西地区生コン支部の3労組で構成)と大阪圧送労働組合がストを開始しました。当初は、大阪府下では8割の建設現場がストップしました。 7月下旬になって、適正価格に同意するゼネコンや販売店が相次ぐようになり、漸次出荷は再開され始めました。しかし、肝心の大手ゼネコン、とくに業界トップの竹中工務店などは優越的地位を利用して生コン業界の危機に理解を示さぬ姿勢を続けており、このためにストライキが長期化しているのが現状です。 いうまでもなくセメントや生コンクリートは社会資本整備に欠かせぬ基礎資材です。この業界の健全な再建を支援する観点で、下記の措置を講じてくださるよう要請します。 記 生コンクリートの適正価格に関して関係者からヒアリングを行うなど、大阪府下の事態の円満な解決に資する施策を講じてください。 敬具
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