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第2回「派遣切り相談村・関西」開催
まともに働けるまともな社会を築くまで

■昨年秋以降の製造業での派遣切り・期間工切りの急増に対応した中で、年末に「派遣村」や相談活動が全国で取り組まれました。今年に入ってからは、非正規労働者の雇い止め解雇だけでなく、正社員の解雇や希望退職募集解雇なども増えています。アメリカ発の世界大不況は、日本でも大失業時代の再来となっています。ワーキング・プアといわれる低所得者層の増大と、職と住居を失っている労働者が増え続けているのです。
関西でもいくつかの労働組合等が協力して、私たち同様の『今こそ反貧困・生活確保、仕事よこせ』の運動を結びつけた取り組みもあります。
私たちは、去る2月28日と3月1日の2日間、『派遣切り相談村・関西』を開催しました。相談の内容に合わせ、労組を紹介し団体交渉を行っての解決や、生活保護申請などを行いました。



私たちは、再度の『派遣切り相談村・関西』に取り組み、5月30日と31日に労働・生活相談と炊き出しを行いました。



NPO「非正規労働者のための協働センター」第2回「派遣切り相談村・関西」開催

  非正規労働者のための協働センターは、連帯労組・管理職ユニオン関西・港合同等、友好労働組合ネットワークで構成するNPO法人(村長は西山直洋近畿地本書記次長、事務長は仲村実管理職ユニオン副委員長)で、もっとも弱い立場で就労している労働者を支援する協働ネットワークだ。センターでは本年2月28日から3月1日に引き続き、5月30日から31日の両日、第2回「派遣切り相談村・関西」を開催した。今回は会場を大阪市役所前に移し、電話相談は協働センター(生コン会館)で実施した。両日昼夜とも、加盟労組がカレーライスの炊き出しを提供。ボランティアの応援もあり、始終なごやかに活動を進めることができた。






  毎日放送や関西テレビなどマスコミが見守るなか、相談村開村式は30日午前9時に開催された。冒頭、西山村長は「派遣法の規制緩和で企業は労働者を簡単に『安く雇い、使い捨て』できる仕組みを法制化した。今が年末年始に解雇になった人の雇用保険が切れる時期である。労働組合として、まともに働けるまともな社会を築くまで全力をあげて支援していきたい。本日は炊き出しも実施するので美味しく食べてください」と挨拶した。





求人倍率0.46
完全失業率5%に

 全国金属機械港合同の中村政副委員長は、「希望の持てない今、誰かがしないと誰も手を差し伸べてくれない。有効求人倍率が下がり、失業率も5%台になった。労働組合に加盟して生きる道を探って欲しい」と述べた。釜ヶ崎地域合同労組の稲垣委員長は、「釜ヶ崎労働者は毎日が派遣切り。朝仕事に行き、帰ってきたら仕事がなくなっている。あいりん職安では40年間仕事の紹介業務はしていない。結局手配師と呼ばれる人間が長年仕事を仕切ってきた」と訴えた。続いて、関西合同労組、派遣パートユニオン関西、釜ヶ崎パトロールの会などの挨拶のあと、最後に大阪労働弁護団の近藤厚志弁護士は、「未曾有の不況の嵐に失業者の叫びが噴出(ふんしゅつ)している。2日間という短い期間ではあるが、勇気をもって相談に来て欲しい」と挨拶した。


520食分炊き出し
 
 
2日間で、のべ50件の来訪相談と20件の電話相談があった。また加盟労組のボランティアによりカレーライスの炊き出しを520食提供、大変な盛況だった。また、生コン会館の「協働センター」内に設置された労働相談ホットラインにも多数の相談が寄せられた。




健康で文化的な
生活を営む権利
 
  今回特徴的なことは、かなり以前に派遣切りにあい、以後数ヶ月探しても職がなく、経済的にも限界まで行き詰まり、一見手のほどこしようのない重傷の相談者が多かったように思われる。
  しかも、そのような状況のなか、生活保護申請については、親族に知られたくないと躊躇(ちゅうちょ)している相談者もいた。恥をかくより自分が隠れたいという。
  現代社会の途方もない格差拡大に対し、労働者自身に責任はない。むしろ国民には働き生活する権利があり、憲法にも「健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する」と詠っている(25条)。相談に来た労働者自身に権利意識が希薄であるのが、非常に残念である。

怒り爆発、闘う決意

 35歳Sさん(男性)は、派遣会社の正社員として働いていたが、昨年P社に派遣された。P社は年末に大量の派遣切りをした悪名高い会社だ。
  この4月末、Sさんの派遣会社にもP社から一方的に契約解除の通知があった。契約会社は、P社に突然契約を打ち切られたので、正社員のSさんも解雇するという。しかも離職票は一ヶ月遅れで自宅に送付、離職理由も自己都合だった。
  労働相談のなかで、働く者の権利を知ったSさんは、ユニオンに入ると決意。勝利解決にむけて、しっかり闘っていくと笑顔で語っていた。
(生コン支部機関紙「くさり」6月号より)


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