生コン支部機関紙「くさり」NO.745 5月号(5/10発行)1面より   >>くさりTOPへ
政策協議会(4労組)は11春闘で計4回の共同集団交渉を行うと共に、各地域・産業ごとの集団交渉を展開。9事業者団体300社超が参加する例年以上の大規模な集団交渉を行った結果、大阪兵庫生コン経営者会との交渉で年間10万円相当の賃上げを勝ち取り、すべて被災地への支援金とすることに決定した。支援金集約状況の他に春闘で話し合われた議題や決定事項の続報と、大阪・神戸地域の生コン業界の状況を報告。
▲国会議事堂内で稲見議員と会談 要請書を手渡す武委員長(4月22日) 
11春闘を期に結束した事業者団体と労組
要請団参加団体/社会資本政策研究会・大阪兵庫生コン経営者会・兵庫県中央生コン協組連合会(神戸生コン協組と北神戸生コン協組から)・和歌山県生コン協組連合会・京都生コンコリート工業組合・奈良県生コンクリート協同組合・阪神地区生コン協同組合・近畿バラセメント輸送協同組合・近畿生コン輸送協同組合/近畿生コン圧送協同組合/生コン産労/全港湾大阪支部/近畿コンクリート圧送労組/連帯ユニオン 

春闘確認事項の進捗状況
震災カンパと経営者会脱会問題、14組織は省庁へ要請

政策協議会と大阪兵庫生コン経営者会との11春闘での合意事項「賃上げ1年分の被災者支援金(震災カンパ)」は各地で賛同する声が高まり、大阪・神戸地域から、京都、奈良、和歌山、阪神協、バラセメント、生コン輸送、圧送など各協同組合の中でも拡がりをみせている。
当初の計画通り、この支援金は社会的弱者(老人、障害者、失業者など)を優先して配分される。市町村会議などを通じた寄付方法を模索している状況だが、近く紙上でお知らせすることができるだろう。
セメントメーカーによる11春闘「集団交渉潰し」を目的とした策動に乗せられた経営者会の脱会問題については、先月号で報告した7社に続き3社が復帰。経営者会は引き続き、残りの脱退会員社に復帰へ向けた説得活動をしていくことを表明。政策協議会もこれを支援する運動を続けている。

<国政・行政へ要請行動/社会資本政策研究会>

国交省で小泉俊明政務次官と
コンクリートの有用性を訴えた

政策協議会が今春闘で大規模集団交渉を実現した結果、近畿の生コン関連事業者の団体間に業界危機意識の共有がもたらされ、ひとつの結束体が出来あがった。そして春闘交渉中に「〝コンクリート需要の喚起〟を目的に国政・行政に訴える東京行動を行う」ことが政策課題として提起されていた。
その政策課題が一昨年に発足した『社会資本政策研究会』の活動の下で実現。4月22日、9事業者団体と大阪兵庫生コン経営者会及び4労組の代表は、『公正取引委員会』『経済産業省』『国土交通省』に対して要請行動・政策提言を行い、国会議事堂内で稲見哲男民主党衆議院議員と会談を行った。要請、会談内容の概略は以下の通り(詳細は生コン支部サイトで)。
◆公正取引委員会 ①メーカー直系生コン工場の疑似中小企業化排除②セメント価格の一方的引き上げストップ③大企業との対等な取り引き、など。
◆経済産業省 ①JIS規格の運用を含めた生コン品質管理の強化②コンプライアンスに対する行政指導の強化、など。
◆国土交通省 ①コンクリート製品の有用性と災害に対する公共工事②関西から建設車両の派遣意思と賃上げ寄付③取引関係の適切な指導と適正な運賃④品質管理の指導⑤震災復興事業については大企業よりも地元の中小企業を優先、など。

中小企業の経営と労働者の生活脅かす/広域協、神戸協執行部は方針転換せよ

『広域協組資産仮差し押さえ裁判』は、3月28日の「決議なき販売育成金(旧・ブロック対応金)は無効。訴えた協組員社の申し立て通り、販売育成金名目で広域協組が徴収した金額を仮差押する」とした大阪地裁の判決以降、追随した数社が返金訴訟を起こす予定だ。

<昨年の成果をつぶす新執行部の協組運営>
広域協組は今年度(4月から)、理事長を改選して新体制となった。その政策変更の行く先は、昨年のストライキを背景に中小企業が総結集して培った運動の拡がりを、「自ら潰すもの」と言わざるを得ない。
広域協組新執行部は、昨年のストライキで得た値上げの成果を「失敗」と捉え、ゼネコンへすり寄り『〝お願い〟路線』へと、また舵を切り返している。さらに、労組と合意していた業界再建への政策課題も路線変更し、「限定販売」や名称を変えた「ブロック対応金」を復活させている。上記のような協組員社からの訴訟問題が発生するのも当然だと言えよう。
同時に労組と距離を置き、「価格競争で数量を確保する」という自滅の方向へまい進している。その結果、現在の広域協組の生コン価格は昨年の同時期(ストの前)より、立米あたり平均1000円以上の下落という状況。
かつて、労組の声に耳を貸さずに弱肉強食の価格競争を繰り広げたあげく、破倒産が続出した関西生コン業界。そして結局、我々政策協議会に協力を求め、広域協組を作り、適正価格を収受して立ち直った関西生コン業界。歴史はくり返すのだろうか。
いずれにせよ、政策協議会は協組員への不利益政策には行動をもって正常化を目指す。

<経済要求以外の要求10議題の委員会設定>
政策協議会は11春闘で確認した経済要求以外の小委員会を、以下10項目に設定して開催することを決定し経営側に通知する。①日々雇用労働者の処遇改善②女性労働者の条件整備(過去2回開催)③定年・退職金制度及び産業別年金制度④09年4月1日から廃止決定した限定販売方式・ブロック対応金(現販売育成金)・土曜稼働(07・08年合意事項)⑤シェア決定について⑥生コン値戻し(09年4月合意)・適正価格未収受の原因⑦阪神協と協調し土曜稼働・袋洗いの撤廃と労使関係のあり方⑧セメント価格の一方的値上げ⑨原材料・物資の共同購入と圧送、生コン輸送の団体契約⑩特別対策委員会の開催を行い、業界正常化への道を切り開く。

<執行部人選と方針が神戸再建の重要テーマ>
4月25日、政策協議会と神戸協組との労使交渉の席上で「適正価格収受の実現は越境及びアウト対策が連動しないと実現せず、執行部の人選と方針が神戸協再建の重要なテーマ」と、労働側は現執行部に指摘。5月19日に行われる神戸協組総会で改善を図り「価格対応で物件を取る」路線の変更を求めた。
(くさり「5月号」より)


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