生コン支部機関紙「くさり」NO.752 12月号(12/10発行)1・2面より  >>くさりTOPへ

「敵
を知り己を知れば百戦危うからず」。孫子の言葉にあるように、相手を分析する力なくして闘いには勝てない。また、味方の力も分析できずに闘えば勝てない。私たちは定期大会で資本主義の賞味期限はすでに切れ、中小企業・労働者の闘いに〝有利な条件が揃っている〟と提起した。闘う相手が弱体化している今こそ、果敢に闘いを挑まねばならない。その為には組織の主体的力量強化が不可欠である。生コン支部執行部は4つの課題達成に向け全組合員に呼びかけると共に、ここに不退転の決意を表明する


【必然のシステム麻痺資本主義もう終わり】

 
アメリカの財政・貿易の大赤字に大量失業。07年のサブプライムローン崩壊や08年のリーマンブラザーズ倒産。EUにおけるギリシャ、ポーランド、イタリアの財政危機。成長を望めぬ日本経済…。これら事象を見るまでもなく、私たちは「今の資本主義システムは賞味期限切れで、もう終わり」という情勢分析をしている。

何故なら、資本主義は競争原理によって成り立っており、大多数を犠牲にして少数のみが勝つ仕組みだからである。その行き着く先は、地球資源のムダな浪費と格差の拡大である。

格差の拡大は必然的に、少数の特権階級と多数の踏み台にされた者たちとの対立矛盾を激化させる。踏み台にされた者たちは立ち上がらなければ生きて行けず、ここに階級闘争の条件が成熟する。そしてこの闘争こそ、社会を共生協働な方向へ発展させる原動力となるのだ。

【大企業を追い詰めた社会情勢と政策運動


弱者を踏み台に資源を食い尽くす資本主義はやがて滅び去る社会構造であり、そして今、滅び去ろうとしている。これは大衆を支配してきた特権階級の力が弱体化している証でもある。

私たちが直接対決するゼネコンは、公共投資の削減や民間投資の縮小で受注量が激減し、適正価格を度外視した受注競争に明け暮れ、資本の集中・集積ができなくなっている。

【潜在する力を引き出しそれぞれの戦いに集中】

私たちが闘っている勢力は追い詰められ、弱体化している。従ってこの機会に闘えば必ず勝利できる。

支部に結集する力は、潜在的には相手を凌駕するほどに高まっている。闘うために覚悟と決意を固め、組合員各自の〝潜在的な力を引き出し、集中できるかどうか〟が勝利のカギである。 それができれば必ずや相手を打倒して、私たちが求める公平平等な経済・産業構造へ変革できる。それが〝射程距離内〟として見える段階に来ている。 いま成すべきことは、「目標を設定し、目標に向かって邁進すること」である。



獲得目標を明確にし、「不可能を可能にする〝不退転の決意〟で望む」という強い気持ちで取り組まなければならない。そのために執行部は以下の4項目を最優先課題として取り組む。


①組織拡大
組織を拡大し、主体的力量を強化しなければ、勝ち取った成果も奪われてしまう。「3千名組織」が実現できる体制を作る。


②権利侵害を受けている仲間の争議早期解決
組織の力を集中し、争議対策の機能を強化して権利侵害を受けている仲間を勝利に導く。そのための体制と方向性を具体化する。


③政策運動の推進
経済・産業の民主化。大企業の収奪と闘うために、労働者と中小企業との戦線をさらに強固なものとする。
『集団交渉』での春闘スタイルは産業別労働運動の軸であり、大企業の収奪と闘う上での重要な戦術として有効に力を発揮しているため、より一層の充実を図る。


④内部改革
執行部を含め各執行委員、組合員の意識改革。特に執行委員は物事を解決する優先順位を素早く察知し、組合員の信頼を得る努力を怠らないこと。


この4課題の達成は自らの労働条件の維持向上はもとより、日本労働運動の再生という、ひとつの目標実現に向けて連動している。


【関生支部の精神・伝統】




執行部は今期中に課題を実現するため、「後がなく前に進むしかない」という〝背水の陣〟を敷く。そして目標が達成できない場合には執行部を刷新し、生コン支部を再構築する。

この決意と覚悟をもって、「人の痛みは己の痛み」とする関生支部の伝統を継承発展させることが労働条件を維持向上させ、やがて社会変革に繋がると確信する。

今期のブロック・専門部体制は、「結果を出す」覚悟の体制。しっかり議論し、お互いが理解納得したうえで任務に就く。

そして産業政策運動を一層推し進め、中小企業との連携をさらに強固なものにすれば大企業を孤立させることができる。そこに勝利の法則がある。  

しかし、4課題を達成できなければ逆に危機を招きかねない。相手が弱体化しても、「自らの体制を強化しなければ勝利はない」という問題意識を持ち、執行部は不退転の決意を表明する。
 


(くさり12月号より)



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