未来を切り拓く闘いを
7月10日の参院選では与党(自公)が大勝しました。しかし、新基地建設反対で県民が一丸となる沖縄や原発被害に苦しむ福島などではことごとく敗退。巨大与党は「砂上の楼閣」に過ぎません。私たちが確信を持って自らの運動にまい進すれば、必ず未来は切り拓けるのです。
■ 戦争国家に向かい
暴走を続ける政権 ■
2013年2月、与党議員の数の力を背景に「特定秘密保護法」が強行採決されました。2015年9月の通常国会では、多くの国民が国会の内外で反対の声をあげるなかで、与党議員の数の力による強行採決で「戦争法(安保法制)」が成立。これにより、自衛隊の海外での武力行使や米軍など他国軍への後方支援が世界中で可能となり、戦後日本が堅持してきた専守防衛政策は大きく転換されました。
さらに同年10月には、野党議員が臨時国会の召集を要求したにもかかわらず、国会を召集しないという憲法違反を平気で行うなど、安倍政権の暴走には歯止めがかかりません。
そして、2016年7月10日の参院選では、改憲勢力が3分の2を占める結果となりました。
今、安倍政権は災害対策などを理由として「緊急事態条項」を導入する改憲を目指しています。「緊急事態条項」とは、政府が緊急事態を宣言すると政府が法に代わる政令を制定できるようになり、緊急事態を宣言した場合には選挙期日の特例を設けることができるのです。
「緊急事態」を口実に、主権者である国民の意向を無視して政府が法制度を勝手に変えたり、選挙が停止・凍結されて与党議員が多数派を占める「万年国会・万年議員」が実現してしまう恐れがあります。
私たちは、ナチス・ヒトラー内閣が成立させた「全権委任法」に類似した効力が発揮されることへの警戒感を持つ必要があります。
■ 沖縄・福島などで反自公候補が勝利 ■
しかし、参院選の沖縄選挙区では、伊波洋一氏が10万票以上の大差をつけて現職の沖縄担当大臣を破り当選しました。沖縄県民が米軍基地撤去の運動を粘り強く続けた成果と言えます。
また、東北では福島選挙区に見られるように、原発政策の失敗に対して責任を取ろうとしない安倍政権への批判が明確に示されました。さらに、アメリカの求めるTPP締結に反対する声が広がるなど安倍政権の政策の矛盾が選挙結果に現れています。
比例区では、福島みずほ氏が当選しました。これは関生支部14ブロックが「応援団」を形成し、集中して取り組んだ成果です。
さらに、参院選同日に行われた鹿児島県知事選では、川内原発の停止を掲げた三反園訓(みたぞのさとし)氏が、4選を目指した現職を破り、当選しています。一見すると安倍政権は強大に見えますが、沖縄や東北での選挙結果に見られるように、その実態は「砂上の楼閣」なのです。
私たちは、引き続き、安倍政権と真っ向から対決し、戦争法廃止・沖縄新基地建設反対・TPP反対・全原発廃止の運動に全力をあげていきます。
■ 転換期にある世界、激化する階級闘争 ■
バングラディシュ・ダッカで起きた「テロ」で日本人が殺害されました。これは以前、日本人2名がISに殺害される直前、安倍が「IS対策」として中東数ヵ国への資金拠出を明言し、実行したことが直接的な原因です。
メディアでは被害者感情だけが誇張されて報道されていますが、安倍政権がこうした事件を戦争するための口実にすることがないよう強く警戒しなければなりません。2003年にイラク戦争に参戦したイギリスでは、独立調査委員会による検証の結果、当時の政府の判断や評価の過ちを厳しく指摘する報告が提出されました。日本もこのことを教訓にすべきです。
そのイギリスでは、6月23日の国民投票で「EU離脱派」が勝利しました。これは階級矛盾が激化している証拠です。
資本主義が終焉に向かいつつある今、関生支部が掲げる「共生・協同」社会を目指す運動が一層求められています。各地域・各産業で「関生型運動」を実践して結果を出すことによって労働者の生活が安定し、中小企業の権益が守られるのです。「関生型運動」を全国に発信しましょう。
■ 関生魂継承に向け、人材育成に全力を ■
そのためには組織拡大が不可欠です。生コン関連の組織化として各地域60%以上の組織率を達成することが急がれます。
京津ブロックは、京都市内エリアで60%の組織率を達成しています。京津ブロック、奈良ブロック、北大阪Aブロックなどの先進例に学び、東大阪ブロックが2ヵ月間で3企業を組織化するとの結果を出しています。政策運動では、神戸ブロックが集中した取り組みを展開して多くの成果をあげています。
このように結果を出しているブロックでは、ブロック幹部や担当役員が先頭に立って活動しているのです。
さらに、関生支部は人材育成に全力をあげます。今後5年間で役員から10名、ブロックから5名、分会から3名を基準に「関生魂」を継承する人材を育てます。組織全体の議論と実践でこの人材育成に取り組みましょう。
【 くさり8月号より 】