(1)はじめに 春闘を重要視するのは、労働組合の社会的任務として経済闘争を位置づけしているからです。 今春闘は組合員全体での討論を経て要求を決定。交渉形態は集団交渉としました。集団交渉は、企業の枠を越えた労働者の横断的な連帯感を高め、中小企業がセメントメーカーや大企業の従属支配から自立する道です。この集団交渉は、労使一体となった産業政策、大企業の収奪政策と闘うことに有効です。 また、昨年5月に共闘を再開した建交労、UAゼンセンを含む5労組による集団交渉になりました。 (2)今春闘にあたっての我々の基本スタンス 中小企業と大企業との取引条件の改善など産業構造を民主化すること。戦争法を廃止、沖縄米軍基地撤去、原発再稼働・TPP・消費税の引き上げ阻止、主体的力量強化として組織拡大・学習力を高めることです。 交渉の結果、①賃上げ、本勤1万円。日々雇用、日額500円を4月より実施。②年間一時金は138万円。それに満たないところは5万円のアップ。③福利厚生資金、1人あたり12万円。④輸送運賃の引き上げ、大型46000円/日を上限に3000円アップ。⑤人員補充、日々雇用者を本勤化。当面、正規と非正規の割合を5対5とする。⑥雇用基金、?100円を本年6月より全出荷数量を支給対象に。⑦日々雇用賃金を25000円/日、輸送運賃の平準化、本勤労働者の年収を平準化することを本年10月まで議論して方向性を出す。⑧原価構成表を示し、適正価格を標準18858円/?とする。⑨戦争法阻止、経営者会が組合総研発刊の「提言」に広告を出す。 (3)結果をどう評価するか 安倍政権の進める官製春闘は、大企業で賃上げ1500円~2500円程度でした。 我々は「お願い型」でなく、自らの闘いのなかで賃上げを決定するとの原則のもと、社会的水準を上回った賃上げ額を獲得。 賃上げの原資を大企業との取引関係改善のなかで得られるようになったこと。特に、重要視した雇用基金、?100円の支払いを全体に拡げたこと。輸送運賃の引き上げ、人員補充、原価公表、戦争法阻止について回答が得られた。また、出入り業者や未組織労働者の権利確保、日本の進路をめぐる課題についての回答と共同行動ができたことは、労働組合の社会的任務を果たしたと言える。 今年4月から大阪労働学校がスタートしたことで、人材育成活動が大きく前進。 各ブロックでの生コン関連・協同組合における60%以上の組織化を目標に、全組合員の共通認識と確信のもと組織拡大に向けての取り組みが強化されつつある。 さらに、『50年誌』出版記念シンポジウムを大阪・東京で開催し、関生型運動が日本労働運動を牽引するものとして全国に広がりつつあり、関生支部の存在価値と人材育成力が高まったこと。 沖縄基地反対闘争では、沖縄意見広告運動とミキサーパレード、沖縄現地への人員派遣、ミキサー車による現地での抗議アピールなど大きな反響が現れています。 (4)成果の要因は何か アベノミクスは「大企業に資金を集中させ、中小企業と労働者を犠牲にする」。 これは生コン業界でも同様であり、大企業中心の経済政策は客観的には犠牲を受けている者が団結できる条件を与えています。 この条件を闘いのなかで活かす指針を示しました。 闘う主体は労働組合であり、我々が主体的に闘う必要性を行動で示しました。集団交渉不参加企業、経営者会未加盟企業への要請活動を集中的に展開し、3月30日の集団交渉最終日以降は、ストライキで闘う体制を確立したことが主な要因です。 また、本年より重点的に取り組んでいる文化活動、地域総研の運動参加など、新たな領域への拡大が関生支部の社会的存在感を高めていることも要因です。 (5)この成果を今後の運動に活かすための方針 資本主義は一部特権階級のための社会システムであるということを象徴する出来事が世界中で起きています。 帝国主義国家によるイラク・シリアでの無差別攻撃で難民や移民が発生。世界のなかでわずか62人が206兆円の資産を独占し、日本では40人が13兆4400億円の資産を独占しています。 その一方で、非正規労働者が2000万人以上、年収200万円未満の労働者は1000万人以上と格差が拡大しています。 他方で、「パナマ文書」によって「タックスヘイブン(租税回避地)」を使って世界の指導的立場の人間が税逃れをしている実態が暴露。フォルクスワーゲンや東芝・東洋ゴム・旭化成などの誤魔化しが明らかになり、資本主義体制のもとでの腐敗・堕落に目を覆うばかりです。 我々は、弱肉強食の資本主義を打倒し、競争社会ではなく共生・協同社会、労働者・人民主体の社会をめざす運動を強化する必要があります。 関西の生コン関連の運動で労働組合と中小企業が連携することで大企業との対等取引が可能であることが明らかになっています。 広域協組が中小企業による中小企業のための協同組合に発展するには、第一に、生コン価格については出入り業者の運賃などを考慮に入れて決定すること、第二に、大阪兵庫生コン経営者会に全社加入の方向性を示すこと、第三に、品位を大切にしつつ、労働組合とは一致できる課題で相互協力する姿勢を内外に示すことが求められています。 さらに、関生型運動を全国に拡げる活動を引き続き行うこと。本年9月、カナダ・モントリオールで開催される国際会議に代表団を派遣し関生の国際化を図ること。 戦争法廃止、軍事大国化阻止、全基地撤去、原発再稼働・TPP阻止、消費税廃止の闘いを進め、「テロ」と称して抵抗する人々を弾圧し民族を皆殺しにする帝国主義の侵略戦争反対、朝鮮民主主義人民共和国への日米韓による挑発阻止に向けて闘うことが求められています。 成果を継続、安定させるためには、組織拡大が必須条件です。すでに掲げている生コン各地区協同組合で60%以上の組織化に全力を尽くし、大阪労働学校の成功と幹部活動家のレベルアップ、労働モラルの向上に組織力を集中することです。 この総括と実践課題を全組合員の確信として、各ブロックで運動を展開することが求められています。
(1)はじめに 春闘を重要視するのは、労働組合の社会的任務として経済闘争を位置づけしているからです。 今春闘は組合員全体での討論を経て要求を決定。交渉形態は集団交渉としました。集団交渉は、企業の枠を越えた労働者の横断的な連帯感を高め、中小企業がセメントメーカーや大企業の従属支配から自立する道です。この集団交渉は、労使一体となった産業政策、大企業の収奪政策と闘うことに有効です。 また、昨年5月に共闘を再開した建交労、UAゼンセンを含む5労組による集団交渉になりました。
(2)今春闘にあたっての我々の基本スタンス 中小企業と大企業との取引条件の改善など産業構造を民主化すること。戦争法を廃止、沖縄米軍基地撤去、原発再稼働・TPP・消費税の引き上げ阻止、主体的力量強化として組織拡大・学習力を高めることです。 交渉の結果、①賃上げ、本勤1万円。日々雇用、日額500円を4月より実施。②年間一時金は138万円。それに満たないところは5万円のアップ。③福利厚生資金、1人あたり12万円。④輸送運賃の引き上げ、大型46000円/日を上限に3000円アップ。⑤人員補充、日々雇用者を本勤化。当面、正規と非正規の割合を5対5とする。⑥雇用基金、?100円を本年6月より全出荷数量を支給対象に。⑦日々雇用賃金を25000円/日、輸送運賃の平準化、本勤労働者の年収を平準化することを本年10月まで議論して方向性を出す。⑧原価構成表を示し、適正価格を標準18858円/?とする。⑨戦争法阻止、経営者会が組合総研発刊の「提言」に広告を出す。
(3)結果をどう評価するか 安倍政権の進める官製春闘は、大企業で賃上げ1500円~2500円程度でした。 我々は「お願い型」でなく、自らの闘いのなかで賃上げを決定するとの原則のもと、社会的水準を上回った賃上げ額を獲得。 賃上げの原資を大企業との取引関係改善のなかで得られるようになったこと。特に、重要視した雇用基金、?100円の支払いを全体に拡げたこと。輸送運賃の引き上げ、人員補充、原価公表、戦争法阻止について回答が得られた。また、出入り業者や未組織労働者の権利確保、日本の進路をめぐる課題についての回答と共同行動ができたことは、労働組合の社会的任務を果たしたと言える。 今年4月から大阪労働学校がスタートしたことで、人材育成活動が大きく前進。 各ブロックでの生コン関連・協同組合における60%以上の組織化を目標に、全組合員の共通認識と確信のもと組織拡大に向けての取り組みが強化されつつある。 さらに、『50年誌』出版記念シンポジウムを大阪・東京で開催し、関生型運動が日本労働運動を牽引するものとして全国に広がりつつあり、関生支部の存在価値と人材育成力が高まったこと。 沖縄基地反対闘争では、沖縄意見広告運動とミキサーパレード、沖縄現地への人員派遣、ミキサー車による現地での抗議アピールなど大きな反響が現れています。
(4)成果の要因は何か アベノミクスは「大企業に資金を集中させ、中小企業と労働者を犠牲にする」。 これは生コン業界でも同様であり、大企業中心の経済政策は客観的には犠牲を受けている者が団結できる条件を与えています。 この条件を闘いのなかで活かす指針を示しました。 闘う主体は労働組合であり、我々が主体的に闘う必要性を行動で示しました。集団交渉不参加企業、経営者会未加盟企業への要請活動を集中的に展開し、3月30日の集団交渉最終日以降は、ストライキで闘う体制を確立したことが主な要因です。 また、本年より重点的に取り組んでいる文化活動、地域総研の運動参加など、新たな領域への拡大が関生支部の社会的存在感を高めていることも要因です。
(5)この成果を今後の運動に活かすための方針 資本主義は一部特権階級のための社会システムであるということを象徴する出来事が世界中で起きています。 帝国主義国家によるイラク・シリアでの無差別攻撃で難民や移民が発生。世界のなかでわずか62人が206兆円の資産を独占し、日本では40人が13兆4400億円の資産を独占しています。 その一方で、非正規労働者が2000万人以上、年収200万円未満の労働者は1000万人以上と格差が拡大しています。 他方で、「パナマ文書」によって「タックスヘイブン(租税回避地)」を使って世界の指導的立場の人間が税逃れをしている実態が暴露。フォルクスワーゲンや東芝・東洋ゴム・旭化成などの誤魔化しが明らかになり、資本主義体制のもとでの腐敗・堕落に目を覆うばかりです。 我々は、弱肉強食の資本主義を打倒し、競争社会ではなく共生・協同社会、労働者・人民主体の社会をめざす運動を強化する必要があります。 関西の生コン関連の運動で労働組合と中小企業が連携することで大企業との対等取引が可能であることが明らかになっています。 広域協組が中小企業による中小企業のための協同組合に発展するには、第一に、生コン価格については出入り業者の運賃などを考慮に入れて決定すること、第二に、大阪兵庫生コン経営者会に全社加入の方向性を示すこと、第三に、品位を大切にしつつ、労働組合とは一致できる課題で相互協力する姿勢を内外に示すことが求められています。 さらに、関生型運動を全国に拡げる活動を引き続き行うこと。本年9月、カナダ・モントリオールで開催される国際会議に代表団を派遣し関生の国際化を図ること。 戦争法廃止、軍事大国化阻止、全基地撤去、原発再稼働・TPP阻止、消費税廃止の闘いを進め、「テロ」と称して抵抗する人々を弾圧し民族を皆殺しにする帝国主義の侵略戦争反対、朝鮮民主主義人民共和国への日米韓による挑発阻止に向けて闘うことが求められています。 成果を継続、安定させるためには、組織拡大が必須条件です。すでに掲げている生コン各地区協同組合で60%以上の組織化に全力を尽くし、大阪労働学校の成功と幹部活動家のレベルアップ、労働モラルの向上に組織力を集中することです。 この総括と実践課題を全組合員の確信として、各ブロックで運動を展開することが求められています。
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全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 〒550-0021 大阪市西区川口2-4-28 TEL06-6583-5546 FAX06-6582-6547 E-mail web@rentai-union.com 個人情報の取り扱いについて 及び プライバシーポリシー