関西生コン関連労働組合連合会(全港湾大阪支部・生コン産労・建交労関西支部・UAゼンセン・近圧労組・関生支部)と大阪兵庫生コン経営者会との16春闘は3月7日の第1回集団交渉からスタート。最終交渉まで、日々雇用と生コン輸送会社に依存する不正常な業界をどう立て直すのかなど、労使が真剣な議論を重ねた。
■ 大企業から自立し中小主導の協組を ■ 第1回集交では、冒頭、今春闘に臨む態度について大阪兵庫生コン経営者会の藤中会長が「15春闘では先行投資として賃上げを実施したが、各社はまだ生コン値上げの恩恵を受けていない。そうしたなかで労使で協議しながら着実に政策を実行し、未来志向の労使関係を築きたい」と語った。 【あるべき業界を作るのは今】 これに対して、関西生コン関連労働組合連合会の武議長は「広域協組は歴史と現状に学び、大企業(メーカー)主導から中小企業主導に運営を変え、生コン価格の適正化に全力を尽くすべきだ。そのためには、メーカーから自立し、労働組合と協力してゼネコンと闘う姿勢を明確にすることが必要。そして、共注共販・シェア運営によって内部団結を強化し、信賞必罰の組織原則を貫くことが求められる。 今春闘では、大幅賃上げに加えて日々雇用労働者の本勤化、生コン・セメント輸送運賃の引き上げなどを最重点課題として取り組む。労働側も交渉での解決に向けて全力を尽くすが、3月末までに解決しない場合には行動に突入する」告した。 この後、労組連合会の岡元事務局長が統一要求について説明し、第1回集交は終了した。 ■ 経営側の間違った認識を鋭く指摘! ■ 第2回集交で経営側は、労働組合との協力関係を強調しながらも「労働組合の組織や正規雇用労働者の多い企業ほど経営が悪化している」と発言。 これに対して労働側は「人間は習慣の動物だ。現在のように正規労働者が少ない状態を正常だと思っていること自体問題である。経営側は安定供給のために必要な車輌が何台なのかを明らかにせず、原価構成や適正価格も示していない。安心・安全な生コンを安定的に供給するとの社会的責任を放棄し、生コン価格を引き下げたのは経営側だ」と厳しく指摘した。 【労使一体で真の再建を】 労働側は矛盾した経営側の認識を正し、適正価格や適正生産基準を示した上でそれを実現するプロセスを明らかにするよう求めた。 さらに、労働側の交渉委員からも安定供給を担保するために不可欠な団体輸送契約の締結やバラセメント専門委員会の再開を求める意見が相次いだ。 さらに、日々雇用労働者が使用する作業服や安全靴など必要備品の支給、生理休暇の有給化や男女別トイレの設置などの要求項目についても誠実に回答するよう声があがった。 ■ 日々雇用が多数の異常な状況を正せ ■ 第3回集交。この日は有額回答日だったにもかかわらず、経営者会からの具体的な回答は全くなかった。 労働側はあるべき業界をどう実現していくのかを経営側に質(ただ)した。22年前に広域協組を立ち上げ、生コン価格適正化を実現したときには標準原価表が打ち出された。 しかし今回、広域協組はそれを作成・公表していしていない。現在の年間出荷量550万?では1工場当たり月間3600?の出荷が想定され、車輌は13台~14台、人員は14人必要だ。 【日々雇用労働者の 処遇改善を要求】 労働側は「経営者会で運賃や人件費も含めた生コン原価を計算することができるはず。また、出荷量から見てどれくらいの価格設定が必要かも分かるはずだ。それもせずに出荷量が少ないから経営が苦しいというのでは誠実な回答をしているとは言えない」として強く是正を求めた。 また、「経営側は企業間格差を強調しているが、格差をなくして協組員の団結基盤を強化するには全社が経営者会に加入することが不可欠だ」として、経営者会への加入促進活動の強化を求めた。 そして「このような回答では最終交渉で解決するはずがない。解決しなければ行動する」と通告。 最終交渉までに代表折衝で協議を重ねることとなった。 ■ 春闘勝利を契機に一層の組織拡大を ■ 第4回(最終)集交。経営者会は〝格差是正〟を名目に低額回答を行った。 労働側は「この回答では本勤労働者の最低年収をいくらにするのか、日々雇用労働者の最低賃金をいくらにするのかがあいまいで、真剣にその目標を達成しようという姿勢が見えない。これでは格差を広げることになりかねない。また、生コンの適正価格が収受できた場合には輸送会社にもその成果を還元しなければ、輸送会社は労働者の要求に応えることができない」として再検討を要求。 経営側打合せや代表折衝を数回重ねた後、再度経営者会が回答。〝5割を本勤にするなど画期的回答を勝ち取り、妥結に至った。 【妥結内容】賃上げ:本勤月額1万円、日々雇用日額500円。年間一時金:138万円を上限に満たない者は5万円引き上げ。福利:12万円(昨年実績)。輸送運賃:46000円を上限に3000円引き上げ。人員補充:正規・非正規の比率を5対5にする。この目標達成に向けて環境整備委員会で議論し、10月末までに結論を出す。
■ 大企業から自立し中小主導の協組を ■ 第1回集交では、冒頭、今春闘に臨む態度について大阪兵庫生コン経営者会の藤中会長が「15春闘では先行投資として賃上げを実施したが、各社はまだ生コン値上げの恩恵を受けていない。そうしたなかで労使で協議しながら着実に政策を実行し、未来志向の労使関係を築きたい」と語った。
これに対して、関西生コン関連労働組合連合会の武議長は「広域協組は歴史と現状に学び、大企業(メーカー)主導から中小企業主導に運営を変え、生コン価格の適正化に全力を尽くすべきだ。そのためには、メーカーから自立し、労働組合と協力してゼネコンと闘う姿勢を明確にすることが必要。そして、共注共販・シェア運営によって内部団結を強化し、信賞必罰の組織原則を貫くことが求められる。 今春闘では、大幅賃上げに加えて日々雇用労働者の本勤化、生コン・セメント輸送運賃の引き上げなどを最重点課題として取り組む。労働側も交渉での解決に向けて全力を尽くすが、3月末までに解決しない場合には行動に突入する」告した。 この後、労組連合会の岡元事務局長が統一要求について説明し、第1回集交は終了した。 ■ 経営側の間違った認識を鋭く指摘! ■ 第2回集交で経営側は、労働組合との協力関係を強調しながらも「労働組合の組織や正規雇用労働者の多い企業ほど経営が悪化している」と発言。 これに対して労働側は「人間は習慣の動物だ。現在のように正規労働者が少ない状態を正常だと思っていること自体問題である。経営側は安定供給のために必要な車輌が何台なのかを明らかにせず、原価構成や適正価格も示していない。安心・安全な生コンを安定的に供給するとの社会的責任を放棄し、生コン価格を引き下げたのは経営側だ」と厳しく指摘した。
労働側は矛盾した経営側の認識を正し、適正価格や適正生産基準を示した上でそれを実現するプロセスを明らかにするよう求めた。 さらに、労働側の交渉委員からも安定供給を担保するために不可欠な団体輸送契約の締結やバラセメント専門委員会の再開を求める意見が相次いだ。 さらに、日々雇用労働者が使用する作業服や安全靴など必要備品の支給、生理休暇の有給化や男女別トイレの設置などの要求項目についても誠実に回答するよう声があがった。
■ 日々雇用が多数の異常な状況を正せ ■ 第3回集交。この日は有額回答日だったにもかかわらず、経営者会からの具体的な回答は全くなかった。 労働側はあるべき業界をどう実現していくのかを経営側に質(ただ)した。22年前に広域協組を立ち上げ、生コン価格適正化を実現したときには標準原価表が打ち出された。 しかし今回、広域協組はそれを作成・公表していしていない。現在の年間出荷量550万?では1工場当たり月間3600?の出荷が想定され、車輌は13台~14台、人員は14人必要だ。
労働側は「経営者会で運賃や人件費も含めた生コン原価を計算することができるはず。また、出荷量から見てどれくらいの価格設定が必要かも分かるはずだ。それもせずに出荷量が少ないから経営が苦しいというのでは誠実な回答をしているとは言えない」として強く是正を求めた。 また、「経営側は企業間格差を強調しているが、格差をなくして協組員の団結基盤を強化するには全社が経営者会に加入することが不可欠だ」として、経営者会への加入促進活動の強化を求めた。 そして「このような回答では最終交渉で解決するはずがない。解決しなければ行動する」と通告。 最終交渉までに代表折衝で協議を重ねることとなった。 ■ 春闘勝利を契機に一層の組織拡大を ■ 第4回(最終)集交。経営者会は〝格差是正〟を名目に低額回答を行った。 労働側は「この回答では本勤労働者の最低年収をいくらにするのか、日々雇用労働者の最低賃金をいくらにするのかがあいまいで、真剣にその目標を達成しようという姿勢が見えない。これでは格差を広げることになりかねない。また、生コンの適正価格が収受できた場合には輸送会社にもその成果を還元しなければ、輸送会社は労働者の要求に応えることができない」として再検討を要求。 経営側打合せや代表折衝を数回重ねた後、再度経営者会が回答。〝5割を本勤にするなど画期的回答を勝ち取り、妥結に至った。 【妥結内容】賃上げ:本勤月額1万円、日々雇用日額500円。年間一時金:138万円を上限に満たない者は5万円引き上げ。福利:12万円(昨年実績)。輸送運賃:46000円を上限に3000円引き上げ。人員補充:正規・非正規の比率を5対5にする。この目標達成に向けて環境整備委員会で議論し、10月末までに結論を出す。
労働側は「経営者会で運賃や人件費も含めた生コン原価を計算することができるはず。また、出荷量から見てどれくらいの価格設定が必要かも分かるはずだ。それもせずに出荷量が少ないから経営が苦しいというのでは誠実な回答をしているとは言えない」として強く是正を求めた。 また、「経営側は企業間格差を強調しているが、格差をなくして協組員の団結基盤を強化するには全社が経営者会に加入することが不可欠だ」として、経営者会への加入促進活動の強化を求めた。 そして「このような回答では最終交渉で解決するはずがない。解決しなければ行動する」と通告。 最終交渉までに代表折衝で協議を重ねることとなった。 ■ 春闘勝利を契機に一層の組織拡大を ■
第4回(最終)集交。経営者会は〝格差是正〟を名目に低額回答を行った。 労働側は「この回答では本勤労働者の最低年収をいくらにするのか、日々雇用労働者の最低賃金をいくらにするのかがあいまいで、真剣にその目標を達成しようという姿勢が見えない。これでは格差を広げることになりかねない。また、生コンの適正価格が収受できた場合には輸送会社にもその成果を還元しなければ、輸送会社は労働者の要求に応えることができない」として再検討を要求。 経営側打合せや代表折衝を数回重ねた後、再度経営者会が回答。〝5割を本勤にするなど画期的回答を勝ち取り、妥結に至った。 【妥結内容】賃上げ:本勤月額1万円、日々雇用日額500円。年間一時金:138万円を上限に満たない者は5万円引き上げ。福利:12万円(昨年実績)。輸送運賃:46000円を上限に3000円引き上げ。人員補充:正規・非正規の比率を5対5にする。この目標達成に向けて環境整備委員会で議論し、10月末までに結論を出す。
▲TOPへ →HOMEへ
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 〒550-0021 大阪市西区川口2-4-28 TEL06-6583-5546 FAX06-6582-6547 E-mail web@rentai-union.com 個人情報の取り扱いについて 及び プライバシーポリシー