2月5日には大阪で、同21日には東京で関西地区生コン支部「50年誌」出版記念シンポジウムが開催された。両シンポとも大盛況で、関生型運動の意義が語られた。
大阪でのシンポジウムは2月5日、学働館・関生で開催。熊沢誠さん(甲南大学名誉教授)、山元一英委員長(全港湾大阪支部)、藤中昌則会長(大阪兵庫生コン経営者会)、髙井康裕理事長(組合総研)、武委員長によるパネルディスカッションが行われた。 【関生型運動について様々な観点から討議】 このなかで熊沢誠さんは「社会的労働運動の王道を歩んでいるのが関生支部である」と強調。 その特徴は、事業者団体との交渉で、製品の適正価格維持にまで踏み込み、ゼネコンに価格を認めさせるためのストまで実行していること。 このことが政財界や司法界から嫌われ、時に弾圧されてきたが、運動は力強く発展。2010年の139日間のストへとつながった。 一方、大半の日本の労働組合は企業内の正社員のみの既得権確保に汲汲(きゅうきゅう)とし、下請労働者との格差是正など考えていないのが実状で、絶望感を禁じ得ないと発言。 その一方で世界に目を転じれば、ヨーロッパなどでは関生支部同様の産業別運動が主流であると報告した。 関生支部の運動が各方面から高く評価されていることが再認識された取り組みとなった。 2月21日、東京・連合会館で「今こそ当たり前の労働運動へ」とのタイトルで東京シンポジウムが開催された。 当日は冒頭、伊藤誠さん(東京大学名誉教授、変革のアソシエ共同代表)が主催者挨拶。 続いて、武委員長が「50年誌」刊行の報告と開催のお礼を述べた。 続いて、労働社会学者の木下武男さん(元昭和女子大学教授)が「関生型労働運動の特徴」と題して記念講演を行った。 木下さんは「当たり前の労働運動」と言うが、国内の労働組合が地に落ちていることで関生支部が突出して見えるだけで、世界の主流は関生支部が取り組む産業別労働運動だと強調。 そして、「今やるべきことは関生型労働運動の種まきであり、種をまけば必ず実を結ぶ」と締めくくった。 【講演する木下武男さん】 この後、「社会運動の現場から」と題して、佐藤崇さん(なゆたふらっと)、纐纈(こうけつ)美千世さん(日本消費者連盟)、原隆さん(「持たざる者」の国際連帯実行委員会)、小野寺忠昭さん(元東京地評活動家)の4名から提起を受けた。 さらに、同日国会周辺で開催されていた「辺野古新基地反対包囲行動」に参加していた福島みずほ参議院議員が飛び入りで来場。「ともにがんばろう」と訴えた。 『50年誌』発刊の目的、関生支部の産業別労働運動の基本的特徴については、本書冒頭の武建一委員長による「これからの生コン支部100年に向けて」にやさしい言葉で言い尽くされています。 そして「エピローグ」の「敵の攻撃が関生支部を育てた」で総括的に強調されていることが、「関生型労働運動こそが普通」ということです。 このことは、本書で木下武男氏が「世界標準の視点」から関生支部が「本来の労働組合」であり、関生支部50年の歴史が育んだ「種」を中小企業と膨大な未組織労働者を抱える多くの産業界に種まきし、その「種」の「育て方」を関生支部から学び、衰退する日本労働運動のなかに「本当の労働組合の花」を咲かせることだとする問題意識と重なっています。 それは、『50年誌』の序章に、編纂委員会が日本の敗戦後の産別会議を中心とする産別労働運動の高揚と敗北の歴史を置いて、誕生した関生支部がこの戦後産別労働運動の復権・継承でもあることを鮮明にした問題意識に通じるものです。 それは、「敵の攻撃への皮膚感覚の怒り」と労働者の切実な要求を出発点に闘い、闘いの必要に促されて新しい理論・政策を構築し、その理論・政策が次の新しい闘い・実践を生み出す一種の「運動の弁証法」が継続し、そこに徹底した学習を通じて巨大に見える大資本の内部矛盾、中小資本などとの対立点・弱点を見つけ、その弱点に刺さりこむような闘いをして「勝利の法則」を掴み、さらに組合幹部と組合員の自己変革と主体的強化が意識的になされて活動上の「ルーテイン」となって定着して闘争力を発揮し、関生型の「原型」は近畿一円に開花していったのです。 『50年誌』が、関生型労働運動の特徴のみならず、その芯において支え闘争力を発揮する「関生力」を学ぶ格好の教材として活用されることを願っています。 『50年誌』、心の底からの尊敬の念と共感を持って読ませていただきました。おもしろかった! 私は、左派に属する労働運動の論客たちが、「日本の労働運動は企業別労働組合だから衰退した」と語るのを、ずっと釈然としない気持ちで聞いてきました。自らを棚にあげて言い訳をしているように聞こえたからです。 でも、関西地区生コン支部だけは違いました。 絶えざる資本の攻撃と弾圧に立ち向かって、組合員の強力な団結と闘争力で、従来の運動の限界を実践的に克服する産業別労働組合を現実に創りあげたからです。それは、これまで前例のない階級的産別運動と組織の創造であったように思います。 草創期、確立期のご苦労はもとよりですが、私たちが身近に経験することができた139日におよぶゼネスト。大弾圧を粉砕して闘われ、その後の反動もはね返して戦線を再建し、1万人組織建設の大号令に至るこの数年間の闘いも見事です。 言うは易く行なうは難し。古今の歴史を見ても、労働運動ほど絵に描いたようにこの格言が当てはまってしまうものはないようで、様々な言い訳を重ねて後退し続けた結果が現在の日本の労働運動の姿です。 しかし、私は、労働者を軽んじ、蔑視する思想に取り込まれない限り、労働者は必ず勝利できるのだと信じています。 武委員長は、「われわれは、結局、敵のつくった社会的規範や常識を打ち破ってきた」「実践のなかで新しい理論をつくり、理論が新しい実践を生み出していく。その継続が関生支部をつくりあげてきた」と訴えています。 これは、私たちが国鉄闘争のなかで追求してきたことと全く同じです。 『50年誌』にも再録されている「幹部活動家14の指針実践事項」を見た時も、そこから伝わってくる本気さに襟を正されました。 「資本主義の終焉」が語られる可能性に満ちたこの時代、動労千葉も「魚は頭から腐る」「迷ったら左」の原則を曲げることなく闘い続ける決意です。 【全国労働者総決起集会で訴える田中委員長】
大阪でのシンポジウムは2月5日、学働館・関生で開催。熊沢誠さん(甲南大学名誉教授)、山元一英委員長(全港湾大阪支部)、藤中昌則会長(大阪兵庫生コン経営者会)、髙井康裕理事長(組合総研)、武委員長によるパネルディスカッションが行われた。
このなかで熊沢誠さんは「社会的労働運動の王道を歩んでいるのが関生支部である」と強調。 その特徴は、事業者団体との交渉で、製品の適正価格維持にまで踏み込み、ゼネコンに価格を認めさせるためのストまで実行していること。 このことが政財界や司法界から嫌われ、時に弾圧されてきたが、運動は力強く発展。2010年の139日間のストへとつながった。 一方、大半の日本の労働組合は企業内の正社員のみの既得権確保に汲汲(きゅうきゅう)とし、下請労働者との格差是正など考えていないのが実状で、絶望感を禁じ得ないと発言。 その一方で世界に目を転じれば、ヨーロッパなどでは関生支部同様の産業別運動が主流であると報告した。 関生支部の運動が各方面から高く評価されていることが再認識された取り組みとなった。
2月21日、東京・連合会館で「今こそ当たり前の労働運動へ」とのタイトルで東京シンポジウムが開催された。 当日は冒頭、伊藤誠さん(東京大学名誉教授、変革のアソシエ共同代表)が主催者挨拶。 続いて、武委員長が「50年誌」刊行の報告と開催のお礼を述べた。 続いて、労働社会学者の木下武男さん(元昭和女子大学教授)が「関生型労働運動の特徴」と題して記念講演を行った。 木下さんは「当たり前の労働運動」と言うが、国内の労働組合が地に落ちていることで関生支部が突出して見えるだけで、世界の主流は関生支部が取り組む産業別労働運動だと強調。 そして、「今やるべきことは関生型労働運動の種まきであり、種をまけば必ず実を結ぶ」と締めくくった。
この後、「社会運動の現場から」と題して、佐藤崇さん(なゆたふらっと)、纐纈(こうけつ)美千世さん(日本消費者連盟)、原隆さん(「持たざる者」の国際連帯実行委員会)、小野寺忠昭さん(元東京地評活動家)の4名から提起を受けた。 さらに、同日国会周辺で開催されていた「辺野古新基地反対包囲行動」に参加していた福島みずほ参議院議員が飛び入りで来場。「ともにがんばろう」と訴えた。
『50年誌』発刊の目的、関生支部の産業別労働運動の基本的特徴については、本書冒頭の武建一委員長による「これからの生コン支部100年に向けて」にやさしい言葉で言い尽くされています。 そして「エピローグ」の「敵の攻撃が関生支部を育てた」で総括的に強調されていることが、「関生型労働運動こそが普通」ということです。 このことは、本書で木下武男氏が「世界標準の視点」から関生支部が「本来の労働組合」であり、関生支部50年の歴史が育んだ「種」を中小企業と膨大な未組織労働者を抱える多くの産業界に種まきし、その「種」の「育て方」を関生支部から学び、衰退する日本労働運動のなかに「本当の労働組合の花」を咲かせることだとする問題意識と重なっています。 それは、『50年誌』の序章に、編纂委員会が日本の敗戦後の産別会議を中心とする産別労働運動の高揚と敗北の歴史を置いて、誕生した関生支部がこの戦後産別労働運動の復権・継承でもあることを鮮明にした問題意識に通じるものです。
それは、「敵の攻撃への皮膚感覚の怒り」と労働者の切実な要求を出発点に闘い、闘いの必要に促されて新しい理論・政策を構築し、その理論・政策が次の新しい闘い・実践を生み出す一種の「運動の弁証法」が継続し、そこに徹底した学習を通じて巨大に見える大資本の内部矛盾、中小資本などとの対立点・弱点を見つけ、その弱点に刺さりこむような闘いをして「勝利の法則」を掴み、さらに組合幹部と組合員の自己変革と主体的強化が意識的になされて活動上の「ルーテイン」となって定着して闘争力を発揮し、関生型の「原型」は近畿一円に開花していったのです。 『50年誌』が、関生型労働運動の特徴のみならず、その芯において支え闘争力を発揮する「関生力」を学ぶ格好の教材として活用されることを願っています。
『50年誌』、心の底からの尊敬の念と共感を持って読ませていただきました。おもしろかった! 私は、左派に属する労働運動の論客たちが、「日本の労働運動は企業別労働組合だから衰退した」と語るのを、ずっと釈然としない気持ちで聞いてきました。自らを棚にあげて言い訳をしているように聞こえたからです。 でも、関西地区生コン支部だけは違いました。 絶えざる資本の攻撃と弾圧に立ち向かって、組合員の強力な団結と闘争力で、従来の運動の限界を実践的に克服する産業別労働組合を現実に創りあげたからです。それは、これまで前例のない階級的産別運動と組織の創造であったように思います。
草創期、確立期のご苦労はもとよりですが、私たちが身近に経験することができた139日におよぶゼネスト。大弾圧を粉砕して闘われ、その後の反動もはね返して戦線を再建し、1万人組織建設の大号令に至るこの数年間の闘いも見事です。 言うは易く行なうは難し。古今の歴史を見ても、労働運動ほど絵に描いたようにこの格言が当てはまってしまうものはないようで、様々な言い訳を重ねて後退し続けた結果が現在の日本の労働運動の姿です。 しかし、私は、労働者を軽んじ、蔑視する思想に取り込まれない限り、労働者は必ず勝利できるのだと信じています。
武委員長は、「われわれは、結局、敵のつくった社会的規範や常識を打ち破ってきた」「実践のなかで新しい理論をつくり、理論が新しい実践を生み出していく。その継続が関生支部をつくりあげてきた」と訴えています。 これは、私たちが国鉄闘争のなかで追求してきたことと全く同じです。 『50年誌』にも再録されている「幹部活動家14の指針実践事項」を見た時も、そこから伝わってくる本気さに襟を正されました。 「資本主義の終焉」が語られる可能性に満ちたこの時代、動労千葉も「魚は頭から腐る」「迷ったら左」の原則を曲げることなく闘い続ける決意です。
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