11月14日の党首討論で自民党の安倍総裁に解散総選挙を突きつけた野田首相。自民党は条件とされた「一票の格差是正」と「定数削減」に応じ、16日に衆議院は解散した。日本維新の会など「第三極」の動きが大きく報道される一方で私たち労働者の声を代弁する真の「第三極」の姿は見えない。 しかし、反原発に向けて数十万人が立ち上がっているように、多くの国民は現在の政治に大きな不満を抱えている。世界的な大転換期にある今、私たちはこの総選挙闘争にどう臨むべきなのか。組織的見解を明らかにする。
★ 対米従属から脱却、自立・平和な日本を ★ 2月16日の総選挙で問われているのは、日本という国のあり方だ。 戦後67年の歴史の中で、日本は日米安全保障条約(日米安保)によって米国の従属国になってきた。この米国支配から自立することが最大の課題である。 イラクなどへの自衛隊派遣に見られるように、現在日本は米国の戦争政策に自動的に引きずり込まれている。憲法9条では軍隊保持・交戦権が否認されているのに、「自衛隊」という名の軍隊が存在し、「国際貢献」を名目に海外派兵されている。これは中東諸国などに米国型の民主主義を押しつけるために米国の要請に基づいて実行されている。 また、オスプレイ配備は従属関係を象徴的に示している。沖縄県民がどんなに強く反対しても、日米政府は配備を強行し続けている。 このように憲法が拡大解釈される根拠になっているのが日米安保だ。 この条約は軍事同盟という側面が強い。 今では、中国と朝鮮民主主義人民共和国を「仮想敵国」にし、日米韓の合同軍事演習を続けている。 日米安保が戦争の危機を引き起こし、国民生活を破壊している根源なのだ。 もう一つ、日米安保によって日本は経済的にも米国に支配されている。 例えば、毎年、米国が日本に対して「年次改革要望書」を出し、「法律や制度を変えろ」と圧力をかけている。 そうした米国の要請で実行されたものの一つが郵政民営化だ。これは350兆円に上る郵貯・簡保資金を米大手金融機関が自由に使えるようにするための政策だった。 また、金融制度改革や日本型雇用慣行の破壊、教育や福祉の民営化、消費税引き上げなども米国の要請によるものである。 よって、国民生活にとっての日米安保の危険性をしっかりと認識し、日米関係を「対等・平等・互恵」のものに変えることが国民的課題である。
★ 改憲は戦争への道、軍事大国化許すな ★ 今、自民党や公明党、日本維新の会など「第三極」と呼ばれる諸政党は、改憲を主張している。 日本国憲法は「主権在民・基本的人権の尊重・平和主義」を理念としているが、彼らはこの理念を変えようとしている。 これは経済危機を戦争によって解決しようとするもので、国民への保護政策を切り捨て、「1%の者の利益ために99%の者を犠牲にする」政策を憲法上でも保障することが本当の狙いだ。 そして、それによって公然と軍隊を名乗って交戦できる仕組みをつくり、軍事費を増大させようとしている。よって、憲法を変えることは軍事大国化につながる。 そしてそれは、福祉や教育、国民生活をないがしろにするということだ。軍国主義によって民主主義が否定されることに対して、私たちは大きな危機感を持って対応すべきである。 ★ 1%優遇の政治に今こそ「NO!」を ★
さらに、これまでのような米国型の「大量生産・大量消費・大量廃棄」の価値観を変えなければならない。 この20年間、日本のGDPはほとんど伸びていない。それにも関わらず、1%の者には富が一層集中・集積している。一方、99%の側である私たち労働者の賃金は下がり、雇用は不安定化している。 そして、中小企業の倒産が続出し、地域経済や共同体が破壊され、「無縁社会」がつくられている。 1%の者に集中している富を99%の者に再分配しなければならない。
関西の生コン産業では、この3年間、大企業であるセメントメーカーによるトン当たり5000円の値上げを阻止した。 これはその分だけ彼らの利益を吐き出させたということだ。 そういう形で大企業、つまり1%の者による収奪と闘い、中小企業と労働者に利益を還元することができるのかどうかが今、問われている。
そして、その吐き出させた富(財源)を使って、農林漁業の振興やインフラ整備を図り、原発に代わる自然エネルギーの開発を進めるべきだ。 そういった事業を展開することによって、新たな雇用も創出される。 つまり、外需主導型から内需主導型へ経済構造を根本的に変えることが求められているのだ。 「競争社会」から「共生・協同社会」への転換。これが政治を根本的に変革する道である。 そうした点で私たちが進めてきた大企業と中小企業との対等取引を進める産業政策運動は、まさにこれからの社会が求めているものなのだ。 女性、障がい者、マイノリティーなどが暮らしやすい社会。公平・公正・平等な社会。それは「戦争社会」ではなく「共生社会」である。
★ 政治・政策闘争を一体的に追求しよう ★
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