三千名組織拡大へ一層の飛躍を

今期、関生支部では「３０００名組織拡大」に向けて不退転の決意で取り組んできた。それは組織拡大が、賃金・労働条件の向上はもとより、業界再建や権利侵害一掃、日々雇用労働者の就労権確保等、自らの社会的経済的地位向上のための絶対条件だからだ。結果、組合員の奮闘によりかつてない成果を上げている。今号では、その成果と課題を報告する。

毎年掲げていた「近畿地本５０００名・生コン支部３０００名」の組織拡大目標については、20年以上、毎年２００名弱の拡大に止まっていた。

そして、定年退職等による組合員数の減少によって、実質的には横ばい状態が続いてきた。

こうした状態が長年続いた事で、組合員数は横ばいのままでも、組合員の高齢化や非正規化、日々雇用組合員の増加等、その状況は大きく変化し、組織の行動力・集中力にも影響を与えていた。

この状況を打開すべく、今期は「昨年までと同じことを繰り返さない」を合い言葉に執行部が先頭に立ち組織拡大活動に取り組んだ。

今期掲げた組織拡大の目標については８月末までに目処をつけること、目標が実現できない場合には執行部がしっかりと責任を明らかにするという「背水の陣」で全ブロックの組合員が組織拡大活動に臨んだ。

多くの労働者は会社に対して不満や要求をぶつけることへの恐怖心があり、会社から「解雇・労働条件の切り下げ・労働条件の一方的変更」等がない限り、自ら労働組合に加入することはほとんどない。

多くの労働者が「諦め」によって何らの手立てもせず、「沈黙」「退職」を選んでいる。

この間、多くの組合員が組織拡大に向けてオルグ活動に取り組んできたが、組合加入を決断させるには至らないケースが多く見られた。

その大きな要因は、①労働組合に対する無理解（労働組合が働く者の救済組織であることを知らない）、②労働者が持つ会社に対する恐怖心だ。

関生支部でこれまで拡大が進まなかったのは、上記二つの要因に加え、組織拡大活動が一部組合員（ブロック執行部・オルグ団）に止まっていたとの要因による。

そこで、今期は各ブロックで全組合員が旺盛に組織拡大のための宣伝・調査・オルグ活動に取り組んだ。

【全ブロックで積極的にオルグ活動を展開。清掃等一般業種でも組織化を進めた】

また、本年３月からは組合加入を促進するために「協力会員」制度を活用。

この「協力会員」制度は、①実際に労働組合に触れる事でそれを理解してもらう、②協力会員は非公開なので会社に知られることがない（会社に対する恐怖心軽減）、③組合員が身近にいる人たちにも加入を呼びかけやすい等のメリットがある。

さらに、加入した協力会員がステップアップし、組合員になってもらうよう各ブロックが継続してフォローしていくことを確認している。

「協力会員」制度をいち早くブロックで討論し取り組んだのは京津ブロックだった。

討論に充分な時間を取り、「７月末までに組合員一人が二人の協力会員を獲得する」ことを決定し実行。

その結果、目標数値を上回る成果を上げている。

同ブロックでは、役員・ブロック執行部のリーダーシップやブロック組合員の危機意識等によって積極的な行動につながった。

その後、湖東ブロックも京津ブロックに学び、組合員一人一人が数値目標を設定して「協力会員」の獲得に取り組み、目標を達成している。さらに奈良ブロック等も成果を上げようとしている。

今号では８月末時点の詳細を報告することはできないが、８月末までに拡大数が１０００名を超える勢いだとの報告が届いている。

もちろん、今期の拡大目標３０００名には届いていないが、「昨年までと同じことを繰り返さない」「全組合員が拡大活動に取り組む」ことによって、必ず来期以降には大きな成果を上げると確信している。

しかし、ここで手を緩めては本当の意味での「組織の主体的力量強化」にはつながらない。

今期、全ブロックが取り組んだ積極的な活動を今後も継続・発展させていくことが求められる。そうしなければせっかくの大きな成果も次につながらず、「水ぶくれ」状態に終わってしまうということをしっかりと認識することが必要だ。

「３０００名組織拡大」を達成するために、今後も組合員一人一人が真剣に組織拡大・強化に取り組もう。

（くさり９月号より）

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