「第15回アンコールワット国際マラソン2010」に参加して 「第15回アンコールワット国際ハーフマラソン2010」は2010年12月5日、53カ国から4048名の参加者を迎えて盛大に開催されました。連帯ユニオンは今年で8回目の参加となりますが、毎年マラソンだけでなく現地の小学校や村を訪れて交流を図っています。今回は「〝遊・わ~く・ウィークリー〟森脇健児チーム」として森脇さんはもちろん、私たちの組織からは小路副委員長と七牟礼、坂田の両執行委員が参加しました。 今年も全員無事完走できたことと、昨年に子どもたちと約束していたバレーボールとコートネットを寄贈してきたこと、「アンコール障害者共同作業所」にお米や衣料品、カバン、靴などを届けてきたことを報告します。
世界遺産の中で前夜祭&祝賀会/連帯ユニオンへ感謝状 アンコールワット国際ハーフマラソンも今年で15回目という節目の年であり、12月4日には大会運営委員会主催の前夜祭&祝賀会が催され、私たちも各国の参加代表と共に式典へ出席しました。 今年の前夜祭は世界遺産であるアンコール遺跡の中で行われました。前夜祭は、漆黒の闇の中にロウソクと照明でライトアップされた「バイヨン」という12世紀頃に建立されたクメール遺跡の建造物を舞台に、幻想的な雰囲気の中で始まりました。 大会に先駆けて代表理事の有森祐子さんから、本大会も15年目の節目を迎えるにあたって、国家を挙げる事業に発展してきたことと、国際認知度も増してきたことで、対人地雷で犠牲になった多くの人々の義手・義足支援や障害者スポーツ振興、青少年のエイズ予防だけにとどまらず、あらゆる自立支援へと広範に裾野を広げていることが報告されました。 さらに連続参加している私たちと森脇健児さんに、カンボジア王国を代表して組織運営委員長である観光大臣より、感謝状が授与されました。有森裕子さんからも森脇さんや連帯ユニオンが長年にわたり貢献していることへのお礼の言葉をいただきました。 遅れるインフラ整備/さらなる経済支援が必要 ベトナム戦争に端を発したカンボジア紛争は1990年の「パリ和平条約」締結で落ち着き、あれから20年となりましたが、今なお国内に残された地雷の被害にあう人が多く、その影響で戦後復興が遅れています。最近になって日本や韓国からの支援活動で道路や学校建設、飲料水確保のための井戸掘りなどが進んでいますが、それらの生活環境整備は「人口の集中している都市周辺と世界遺産の周りだけ」だと言えます。それ以外の地区は戦後20年経つというのにも関わらずインフラ整備が遅れていて、さらなる経済支援を必要としています。 この間、私たち連帯ユニオンは「民間レベルで出来る交流と援助」として、現地の小学校や村へ衣料品や文房具、遊戯具などを届けてきました。年に1回ですが徐々に現地に浸透し、私たちが来ることを楽しみにしている現地の子どもたちがいます。昨年、小学校の校長先生から「子どもたちにバレーボールをさせてあげたい」という依頼をうかがっていましたので、今年は約束通りにコートネットとバレーボールを届けてきました。 小学校を訪問/大喜びの子どもたち アンコール市内からデコボコ道を進むこと30分、途中で学校が近づいてきたのがわかりました。なぜなら、赤い土煙を上げて学校に向かっている私たちの車の後ろを、屈託のない笑い声をあげながら裸足の子供たちが走ってくるからです。 カンボジアの太陽で褐色に日焼けした子どもたちが元気よく私たちの車を追いかけてきます。なんて元気な子どもたちなんだろう・・・。思わず、私の娘が小さかった頃のことや自分の子どもの頃の日本を思い浮かべました。子どもたちの数はどんどん増えていき、学校に到着した私たちの車の周りには、キラキラと目を輝かせた子どもたちでいっぱいになりました。 通訳の「ソティーさん」の話では、私たちが到着するのを全校生徒が待ってくれていたとのこと。早速、団長の森脇健児さんが子どもたちにバレーボールをプレゼント。私たちは校長先生とコートネットを張ることにしました。集まった子どもたちは大はしゃぎで、喜びながら一緒にネットを張るのを手伝って(?)くれました。 この簡易バレーコートで練習して、未来のカンボジア代表アスリートがこの学校から生まれる日を想像して、全員で記念写真を撮って学校を後にしました。
アンコール障害者協同組合/地雷被害者自立支援の施設を訪問 次に「アンコール障害者協同組合」に立ち寄りました。ここは地雷で障害を負った人が木彫りの置物や石造を製作して、地元の民芸品として販売をしながら自立の支援をする施設です。ちなみにこの施設は「地雷被害によって障害を負った人たちの自立支援事業を行うこと」を目的として日本のNPOの協力によって設立されました。 この協同組合には、今回のアンコールワット国際ハーフマラソンの車椅子レースに参加して2位に入賞された女性アスリートも在籍されており、団長から特別賞として日本から持参したカバンをプレゼントすることにしました。 彼らの多くは、義手と義足に頼った生活を送っているわけですが、地雷被害によっては 両足を切断して車椅子生活を送っている人たちも多くいます。しかし、車椅子のほとんどは自転車を改良したものや、事務用の椅子に自転車のタイヤを繋げて転用したもので、大変粗末で扱いにくいものです。日本では病院などで使用している車椅子の多くが耐久スケジュールを決めてあって、旧式になると産業廃棄物として廃棄処分になっているらしいのですが、使える物も廃棄しているのであればカンボジアの人たちが有効に活用できるために「何とかならないのか?」と思います。
今回、改めて民間支援の必要性と、その難しさや限界を知ることとなりました。そのことを理解した上で、もっともっと子どもたちが笑顔になれるような素敵な支援を継続する必要があります。そして、一過性の支援で終わることなく、連帯ユニオンの掲げる国際連帯方針を広め、実践していくことが「真の意味での平和」に繋がる、そのことを感じた「チーム森脇」一行でした。【レポート/連帯ユニオン関西地区生コン支部執行委員・坂田】
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