■弁護団声明 検察官は、本件が労働組合活動に加えられた刑事弾圧であることをやっきになって否定しようとした。その点を論告の中で強調し、裁判所に対して有罪認定を迫り、絶対に罰金刑を選択してはならないと「指図」した。
被告・弁護側は、本件は、2008年4月2日協定において、燃料高騰・NOX対策・賃上げの3要因によるコスト増に輸送会社が対応できるようにするための輸送運賃引き上げの労使合意が成立したにもかかわらず、経営者会のA会員である関西宇部がそれを実行しなかったため、関生支部が同社に対して合意の履行を求めた正当な行為であると主張した。加えて、関生支部との当初の団交で、関西宇部は、本件合意について同社には、それを実行すべき義務があることを認め、その方向で努力する姿勢を示していたのに、その後、同社が輸送会社と運賃値上げについて話しをしているかどうかすら明らかにしないという挑発的対応に転換したことの不誠実さも批判した。
これに対し裁判所は、「関西宇部は関生支部に対し、妥結した輸送運賃の値上げ金額及び実施時期を回答する義務を負っていた」「本件当時、合意から約3ヶ月も経過していたのに、輸送運賃の値上げも実現せず、その具体的見通しも立っていなかった」「本件合意には、輸送運賃引き上げの速やかな実施も含まれていた」「このような事情のもとでは、被告人らをはじめとする関生支部の組合員らが、経営者会のA会員であり、その有力構成員である関西宇部に対し、本件合意がどのように履行されるのか、まだ履行されていない理由は何であるのか等について、具体的な説明を求めようとしたことは十分に理解できる」とし、一方「関西宇部側の対応は、やや適切さを欠き、配慮が足りない一面があったことは否定できない」から、「被告人らの本件行為は、無理からぬ一面もあり、それ自体として不当であったとは言えない」と認定した。
このように本件行為の目的の正当性を認めたにもかかわらず判決は、被告人らの行為が労働組合の活動等として許容される範囲を越えたものであるとして、有罪の宣告をした。極めて妥協的で不当な判決と言わねばならないが、検察―関西宇部の主張の一部を否定させ、本件行為の目的の正当性を認めざるを得ないところまで裁判所を追い込んだことは、運動の事実上の勝利と言ってよい。 以 上
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