全日建連帯労組関西地区生コン支部
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 06春闘山場の4月11日夜、セメント・生コン業界の危機突破総決起集会がエルおおさか大ホールで開かれ、関連業界の労使ら約900人が会場を埋め尽した。集会は、生コン関連5労組と大阪コンクリート圧送労組、関西労働者供給事業組合協議会が主催し、セメント・生コン関連業界団体の共催で開催。建造物と市民の安全・安心確保と中小企業の経営、労働者の雇用・生活確保を一体的に追求する政策春闘として新たな社会的運動のスタートを切った。
関連7労組が危機打開・再建へ決起
 耐震強度偽装事件が社会を震撼させるなか、規制緩和による過当競争が生み出す「品質よりもコスト優先」のツケが、コンクリート構造物の「負の遺産」として市民の安全と安心を脅かしている。
 こうしたなか、生コン関連労組は社会的責務として業界の自立によって社会と消費者の信頼を確保する政策春闘と位置づけ、業界の危機を打開する政策7項目の具体策を提起。これら政策課題の実行により、業界再建と中小企業の経営・雇用と生活確保を一体的に追求する総決起の集会は、岡本幹郎生コン産業労働組合書記長の司会で進行。
 まず主催者を代表して挨拶にたった長島和眞建設交運一般労組関西支部委員長は、本集会が業界の危機突破への第一歩となることを指摘。今日の危機をもたらした要因として、構造改善事業による需給調整として150億の資金を投じて33工場を集約したにもかかわらず、新増設によって協組員外社が員社の数倍も出荷する事態に立ち至っていること。危機は外ではなく内にあるとして、「自らさえよければ」というルール違反を放置する体質を反省し、協組機能の確立と関連労組の共同行動によって将来展望を切り開く決起の場に、と訴えた。
 続いて主催者を代表して挨拶にたった武建一連帯労組関生支部委員長は、今日の内外情勢と業界の危機打開策について次のように提起した。

国民の安全・安心求める社会的運動
 今日、大阪の生コン業界は倒産の危機に直面し、放置すれば近畿2府4県の危機に波及する。本集会は、危機に対する認識を共有し、危機打開への方向性を確認し、関連労組と中小企業が共通目標の達成へ団結し行動する突破口となる。
 生コン業界はセメントメーカー、ゼネコン、大手商社など大企業の狭間にある典型的な中小企業業種。70年以降、供給過多産業として過当競争と新規参入が絶えない業界で、個社型から協同組合型経営を求める以外に生き残る道はないことを歴史と実践が教えている。今日の危機に立ち至った背景は、セメントメーカーの拡販政策とゼネコンの買い叩き、協同組合の機能停止が主な要因であり、危機打開策には次の7項目の実行以外にはない。(1)品質管理と監査制度の充実化(2)品質保証と補償システム(瑕疵保証制度)(3)協組員外社との大同団結、(4)セメント・資材の共同購入、(5)販売店の一元化(適正価格の維持、販売店マージンの確保、員外社対策)、(6)新技術の開発、(7)教育・広報活動の強化と推進。
 生コン産業の危機打開をめざす運動の社会的意義は、耐震強度偽装事件に象徴される「コスト最優先」から「安心・安全」を守り発展させる運動であること。大企業本位の経済政策から中小企業と労働者の共通利益をめざす運動であること。多数者による多数者の幸福を追求する歴史の発展法則に基づく社会的運動であることを呼びかけた。

業種別運動つぶしの刑事弾圧は破綻
  集会は、政・業界の各来賓代表者が挨拶。集会スローガンを採択し、加来洋八郎全港湾大阪支部委員長が「業種別運動つぶしを狙いとした連帯労組に対する刑事弾圧は、中小企業と労組間の共闘促進によってはね返した。市民社会の安全・安心を求める業種別運動の発展を」と閉会の辞で締めくくった。
 団結ガンバローを三唱した集会参加者は、雨が降る中を力強くデモ行進。業界の危機打開と建造物の安全・安心を訴えた。


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