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| 生コン支部機関紙「くさり」ＮＯ．７４０
１２月号（１２／１０発行）１面より >>くさりＴＯＰへ |
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| ストライキ勝利的終結 関西の生コン産業における１３９日に及ぶストライキは、中小企業とそこで働く労働者の団結によって、ついに勝利的に終結した。今まで、ゼネコンら大企業に買い叩かれ、競争のあげく標準価格の数千円引きで取り引きされていた生コン販売の実態。これらは中小企業の経営をどん底へ突き落とす要因となっていた。業界の構造と社会情勢を分析した政策協議会３労組と近圧労組は、数年前から協同組合への結集呼びかけを強化、昨年からは適正価格収受を訴えてきたが、妨害する勢力もあり10春闘を迎えても一進一退の攻防を余儀なくされた。しかし、『６・27危機突破集会』を期に中小企業と労組が団結。労組の行動を背景に協同組合はゼネコンとの協議に本腰を入れ、最終的に新価格での合意をみた。この間、私たちの闘争は日本労働史に刻まれるものとなったが、勝利的終結に至った要因をしっかり分析し、次なる闘いに望まねばならない。 |
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| 歴史的ストライキを完全勝利まで闘う 関西地区生コン支部を中心として闘ってきた政策協議会のゼネラル・ストライキ（７月２日から11月17日）は最終的には４ヶ月半の長期に及んだが、第８回集団交渉（９月24日）では、最後まで新価格を拒否していた大手ゼネコンの２社が新価格を受け入れた旨の報告が経営側よりされた。 この報告を受け９月27日、これまでストップしていた大型プロジェクト（梅田北ヤード・阿倍野再開発・フェスティバルタワー）工事にも生コンが出荷されることになり、大阪広域生コンクリート協同組合が納入する全ての物件が新価格となった。これは、中小企業とそこで働く労働者が共同闘争で成し遂げた歴史に残る成果である。  この大きな成果を得るまでには、大手ゼネコン・大手商社（３社）による協同組合内部での「利権をちらつかせた懐柔策による内部分裂」や「損害賠償訴訟を匂わせた恫喝」など、協同組合の動揺を誘う攻撃がストライキ突入時から頻繁に行われていた。当初はこれらの攻撃に惑わされ、一部の動揺した企業のスト破りが行われ混乱が生じた。そのような攻撃の中で、１３９日に及ぶストライキを闘い抜いたのは、牽引役を果たした生コン支部の①情勢分析の正しさ、②闘う方針の正しさとそれを貫く不撓不屈の精神、③職場要求に基づく大幅賃上げ要求を掲げて闘ったことに組合員が確信を持ち賃金カットと連日の猛暑の中を粘り強く闘った行動力、によるところが大きい。 そして、今回の闘いが長期に及んだ要因は、「相手側（大手ゼネコン・商社）の力が巨大で大きな壁となっていた」ことではない。相手側の攻撃に息を合わせた動きをしたセメントメーカー直系企業と、一部有力販売店関係企業による造反が協同組合内部で動揺を引き起こし、〝値上げ成果を積み上げては崩される〟といったことを繰り返したのが、最も大きな阻害要因となっていたのである。 巨大資本と闘えることを証明した産別運動 現在の日本における支配構造は、少数の独占資本が多数の中小企業とそこで働く労働者を差別・分断することで維持されている。その中でこの闘争は、「中小企業と労働者が団結して闘い抜けば、大手ゼネコンや大手商社が相手でも大きな成果を勝ち取ることが可能である」ことを明らかにした。 また、今回の闘争の大きな特徴点は、地域組織率３割に満たない労働組合のストライキが大阪全域を巻き込む闘いに発展したことである。「労働組合の掲げた要求と、中小企業の生き残りをかけた要求と、労働者の要求とが一致し、多くの未組織企業と未組織労働者が共に闘えたこと」は、生コン支部の産別運動が示す優位性を表した。 産別運動だからこそ、「多数を占める労働者と中小企業が差別と分断をはね返して団結すること」が可能で、独占資本に対等取引を求める闘いも、貫徹すれば「相手が巨大であっても、団結力に対抗する手段を持ち合わせていない」ことを証明したのである。 この闘いは、日本の産業を支える99％以上の中小零細企業と、日本の労働運動に絶望している多くの労働者に生きる道を指し示すものとなった。 次なる闘いの課題／日本労働運動の再生 今回の闘いによる成果は、必ずしも「安定した恒久的なもの」ではない。 米国リーマンブラザーズ破綻で始まった金融恐慌は未だ拡大しており、資本主義体制は一層危機的状況に追い詰められていく。より競争が激しくなる独占資本は、生き残りをかけて攻勢を強めてくる。今回の例で言えば、大きな財源をはき出すことになるゼネコン・セメントメーカーは、形を変えて破壊的な生コンの安値と賃金抑制を図ってくることは明白である。 この攻撃はすでに始まっており、一部のゼネコンが協同組合からの購入を拒否し始めたり、一部の加盟企業が脱退する動きが見られる。大手ゼネコン・商社が、〝中小企業と労働者の団結〟にくさびを打ち込む攻撃を仕掛けているのである。 成果を奪われないためにも、全ての中小零細企業が協同組合に大同団結した上で労働者との共闘が必要で、協同組合・労働組合の共闘と内部強化が次なる闘いの課題である。また、闘争の中心的役割を果たした関西地区生コン支部に対しても、新たな弾圧事件を捏造した攻撃が充分に考えられる。 産別運動の闘いは、生コン産業だから取り組めたのではない。今回の闘いを日本の全地域・全産業へ、普遍的に取り組める闘いとして拡大させること。それが日本労働運動の再生を可能にするのである。 最後に多くの著名人・労組・団体から激励の署名等頂いたことにお礼を申し上げます。 【文／副執行委員長・高英男】 |
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多くの労働者に勇気を与えた闘い |
ゼネコン支配くい破った産業ゼネスト 国鉄千葉動力車労働組合・田中康宏執行委員長今、多くの労働組合は闘う前から現実の困難の前に負けてしまっています。そして、多くの労働組合の幹部たちは、資本主義の危機を自らの危機と一体化させ、ひたすら労働者に犠牲を強いているのが現実です。 ゼネコン支配をくい破った歴史的と言うべき生コン支部の闘いも、状況を「常識」の目から見れば絶望的としか映らなかったでしょう。しかし、そこにこそ勝利のチャンスがあることを見事に示してくれたのが今回の闘いでした。その決断、強固な団結、時代を見通す力、永年にわたる努力と構想力の素晴らしさ。労働組合がもつ本来の力がここに示されています。 |
全国金属機械労働組合港合同・中村吉政副委員長→このページのＴＯＰへ
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