●協組の執行部が労組潰しに奔走●
昨年12月、生コン・セメント輸送運賃の引き上げを求めて関生支部と全港湾大阪支部はゼネストに立ち上がった。その結果、滋賀・京都・奈良・和歌山・大阪兵庫生コン経営者会(経営者会)において、生コン輸送運賃日額5万5千円への引き上げ、セメント輸送運賃トン当たり510円アップに合意した。
しかし、大阪広域生コンクリート協同組合(広域協組)の執行部は、労働組合のストライキを背景にした行動の成果をなきものにしようとして、ストライキを「威力業務妨害」「組織的犯罪」だと中傷。協同組合の事業活動とは無関係な労組対策の予算化や署名活動のノルマまで会員に強制し、異論を唱える者には恫喝を加える始末だ。
そして、労働組合との交渉窓口である経営者会に加入する広域協組会員に対して同会からの「脱退」を強制。拒否すれば「生コン出荷の割付を外す」こともほのめかし、さらには「違法であれば裁判でもしろ」と圧力をかけている。これに屈して脱退を余儀なくされた社もある。
●差別集団の宣伝、会員に参加要請●
また、広域協組は、「在日朝鮮・韓国人は出て行け、殺せ」などと叫ぶ差別集団に所属していた瀬戸弘幸や渡邊昇らを引き入れ、木村理事長名で会員各社に街頭演説参加を呼びかけている。
加えて、広域協組理事会では、ゼネコンから「関生支部組合員を現場に入れないでほしい」と要請されているとの理由で「連帯と関係が深い生コン工場には(問題解決まで)割り付けしない」「連帯系の生コン輸送・バラ輸送会社とは取引しない」と決議。これは明らかな不当労働行為だ。
現在、広域協組は、164社189工場(12月1日現在)を擁する日本一の生コン協組だが、カネにものを言わせた「恐怖政治」がまかり通る組織となり、協同組合の理念・精神を忘れ、一部の者が強大な権力をふるう運営を行っている。
●非民主的運営をあらためるべき●
3年前に労使の代表が協議し、3協組が大同団結して適正価格収受へ向けて取り組むことに合意し、生コン業界の再建が本格化した。以降、生コン価格は5000円以上の引き上げに成功。これによって年間約300億円の利益を得ている。
その一方で協組内部では民主的な運営や公平なシェア配分が行われていない。協組執行部の独善的な運営によって、一部の生コン工場には手厚いシェア配分がなされ各社の利益には大きな差がある。これは「相互扶助」を目的とし、特定の組合員のみの利益追求を禁ずる中小企業等協同組合法に違反する行為だ。
今後私たちは裁判所・労働委・行政などを活用するとともに差別集団の介入を排除。すでに提起している広域協組の体質改善に必要な「6項目」実現と要求前進に向けて全力を傾注する。
【 くさり2月号より 】