◆真の民主主義を追求していくことが重要◆
組合員と家族のみなさま、新年あけましておめでとうございます。
今、シリア・パレスチナ・ウクライナで戦争が起きています。また、朝鮮半島・台湾でも軍事的緊張が高まっています。 戦争が発生すればその国で生活する多くの人々が犠牲になります。仮に戦争に勝ったとしても、殺された家族は帰ってきません。戦争は人間を狂気的にしてしまいます。家族が殺されれば、銃を持って戦うという気持ちになります。だからこそ、戦争をやってはなりません。戦争になるような環境をつくってはいけないのです。
自民党の政治家は「日米安保に基づいて、いざとなれば米国が日本を守ってくれる」と言っています。しかし、福島原発事故が起こったとき、誰よりも早く逃げたのは米軍でした。他国に守ってもらうという発想自体が間違っているのではないでしょうか。「戦争をしない」ことを基本において、近隣諸国と平和友好的な関係を築くなかで自らを守ることが重要です。
昨年末に韓国では、突然、ユン大統領が戒厳令を出すという驚くべき出来事がありました。 今回のユン大統領の行動(戒厳令)は暴挙に他なりません。戒厳令とは憲法を一時的に停止し、大統領もしくは大統領が指名する戒厳司令官の下に行政や司法の権限を集中させるという非常措置です。 これに対し、すぐさま多くの市民が国会に駆けつけ、こうした暴挙は許さないと軍と対峙しました。そうした命がけで駆けつけた市民と国会議員の手によって6時間で戒厳令は解除されました。 日本でも、自民党が作成した憲法改正草案には「緊急事態条項」があります。これはときの内閣が緊急と判断した場合には国会の権能(立法権)を当該内閣が実質的に兼ねることができるというものです。
今回、韓国で起こった事態は日本が進もうとする道に対する警鐘ととらえるべきです。今、日本社会では、情報があふれている一方で、政治的な動きに対して「自分には関係ない」と多くの人々が無関心に陥っています。M・ニーメラーの有名な言葉がありますが、いざ、自分に降りかかったときにはすでに立ち上がる権利すら奪われているという状況になりかねません。韓国市民の姿に学び、日本における真の民主主義を追求していくことが重要です。。
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◆連携を強化し、弾圧をはね返す◆
昨年2月に大津二次事件の一審判決が出ました。
「被告」とされた9人のうち7人を無罪とする判決でした。
今年は、京都事件の一審判決、大津一次事件の控訴審判決、加茂生コン事件の差し戻し審判決が出ます。権力弾圧との闘いにおいて非常に重要な年になります。
一連の弾圧によって利益を得たのは誰でしょうか。大阪の生コン業界では、非正規労働者が増え、労働者の賃金は全く上がっていません。その一方で生コン価格は高値で安定しています。生コン企業は莫大な利益を得ているのです。
また、検察・警察が私たちを弾圧する意図は何でしょうか。関生支部を暴力団と同じように扱い、取り調べなどで組合からの脱退を強要しています。
私たちが進める賃金・労働条件の向上、戦争反対など、そうした取り組みが彼らにとって許せない、だから、潰してしまおうとして弾圧してきたのです。
この弾圧は一労働組合にかけられたものではありません。今後、さらに広く、様々な課題に取り組む団体・個人との連携を強化していきます。それが弾圧をはね返すことにつながるのです。
◆しっかり総括し、新たな業界をつくっていこう◆
現在の大阪広域協組の体制、同協組による生コン業界支配は長くは続きません。
2015年から現在まで、生コン単価は1万円/m3以上上がっています。いくらセメント・骨材の価格が高騰していると言っても、それ以上に生コン価格は上昇しているのです。それなのに、労働者には還元されない。これで適正価格と言えるのでしょうか。言えるはずがありません。
昨年初め、大阪広域協組の新年会で木村理事長・地神副理事長は「賃上げします」と宣言しましたが、全く実行されていません。労働者を虐げて自分たちだけが利益を得ています。
他産業から生コン産業を見たらどうでしょうか。きっとまともではないと思われるはずです。 現に京都では、大阪広域協組とべったりの京都広域協組から数社が脱退し、自分たちで出荷を継続しています。他の地域も「右向け右」という大阪広域協組の支配体制には嫌気がさしています。
現在の体制が崩れる日は遠くありません。しっかりと総括をして新たな業界をつくっていかなければならないのです。
◆企業別労働組合が主流なのは日本だけ◆
そして、権力弾圧が二度と起きないような社会をつくっていかなければなりません。
日本では企業別労働組合が主流です。大手企業では、非正規労働者を解雇して利益を上げていますが、ほとんどの企業別労組はそれに手を貸しています。企業別労組は人件費が企業間競争の材料になるのを容認しているのです。
一方、産業別労働組合は非正規・アルバイト・パートなど雇用形態を問わず加入することができます。そして、一企業内ではなく産業全体を網羅して同一労働・同一賃金を追求していきます。また、非正規雇用を正規雇用に転換するために要求を出し、その実現のために闘います。産業別労働組合の基本は労働コストを平準化し、企業間競争を抑制するということです。
なぜ世界では産業別労働組合が主流なのでしょうか。欧米でも韓国でも主流は産業別労働組合です。日本でも戦後直後は産業別労働組合が主流だった時期があります。しかし、権力弾圧によって解体させられ、現在に至るまで企業別労働組合が主流になっています
◆産業別労働組合は必要不可欠◆
経済全体を良くして停滞する労働者の賃金・労働条件を引き上げていくためには産業別労働組合が必要不可欠です。
そうしたことを念頭において、この一年、組織拡大・権利侵害一掃・権力弾圧粉砕などの課題について一丸となって闘い抜いていきます。
全日本建設運輸連帯労働組合 関西地区生コン支部
執行委員長 湯川 裕司