労働組合つぶしの大弾圧を許さない3・10集会
「ストライキが犯罪か!労働組合つぶしの大弾圧を許さない!3・10集会」が、3月10日、大阪市立西区民センターで開催され、労働組合や市民など520人が結集した。この集会は、関生支部への権力弾圧に対抗して闘う労働組合や市民団体が結集して発足させた「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」が主催したもの。空前の大弾圧をはね返す闘いは、労働組合だけでなく市民など各界に広がっている。
■権力の蛮行を糾弾。胸を張り闘い抜く■
主催者を代表して、実行委員長である全港湾大阪支部の樋口万浩委員長は「集会を重ねるごとに参加者が増えていることがこの運動の正当性を証明している。私たちの仲間の多くがいまだに保釈されていない。これからも、関生支部への不当弾圧を粉砕するために連帯して闘う」と力強くあいさつした。
続いて、関生支部の坂田副委員長が現状報告。滋賀県警が令状もきちんと提示せず暴力的に家宅捜索・逮捕を強行していること、逮捕後には組合員の家族を恫喝して組合脱退を迫っていることを報告し、弾劾。そして、権力が大阪サミットを見据えて攻撃を仕掛けているとし、「私たちは屈服することなく、胸を張って明るく闘い抜く」と宣言した。
次に、関生弁護団の太田健義弁護士が登壇し、「大阪では支部役員の保釈が認められているのに大津で認められないのはおかしい。早期保釈に向けて集中して取り組む」と発言。その後、勾留中の仲間からのメッセージを読み上げた。
■未曾有の労組潰し「特高」と同じ手法■
続いて、労働研究家の熊沢誠氏が特別講演を行った。
熊沢氏は「この弾圧は、戦後かつてない規模の労組つぶしだ。労働運動が禁止されていた戦前の『特高警察』のやり方そのもの」と批判。1900年代のイギリスの労組承認を争った経過と、権力・資本側の主張が認められたタグベイト判決を破棄させて争議権を勝ち取るために運動が展開されたことを紹介した。
今、なぜ権力が弾圧を仕掛けてきているのかについて、熊沢氏は「日本全体で労働運動が衰退していることが大きな原因。関生支部を弾圧してもたいした反発を受けないと権力側がたかをくくっている」と分析。一方、欧米諸国などでは現在も多くのストライキが闘われていることを紹介したうえで「日本では『今どきストライキか』という雰囲気が蔓延している」と現状について危機感を表明した。
そして熊沢氏は「関生支部は今では例外的となった『まっとうな労組』。だからこそ弾圧される。弾圧されることを誇りにするべき」と激励した。
続いて、連帯アピールに。労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会・京滋の西村修氏は、滋賀・京都での取り組みについて報告し、「この間の権力の攻撃は家族にまでおよんでおり、強い憤りを感じる。一人の生活者として自分のできることを続けていく」と決意を語った。
兵庫ユニオンの小西純一郎氏は「労働者階級の分断状況がこの弾圧を許している。労組つぶしの実態を地域でもっと広めていきたい」と思いを述べた。
最後に、司会を務めた大阪教育合同労組の大椿ゆうこ委員長が音頭をとり、「団結がんばろう」を三唱。集会は成功裏に幕を閉じた。
【 くさり4月号より 】