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年頭挨拶

見出し

 ●武委員長からの年頭挨拶●


 ◆米帝国主義は衰退、内政・外交共に破綻◆

 新年明けましておめでとうございます。

 今年も激動の年です。アメリカ帝国主義の衰退は明らかです。米中経済戦争やイランとの約束を反故にした制裁。アフガニスタン、イラクでは反米運動が高まり統治機構が破壊されるなど中東政策全般が破綻。サウジアラビアでの記者殺害事件でも右往左往しています。また、一昨年だけでも経常赤字52兆6800億円で財政も破綻状態です。言うことを聞かない国々に対しては核の恫喝政策をとり、核戦争危機をつくり出しています。さらに、パリ協定から離脱して環境破壊を平然と行っているのです。

 また、同国内においては民族差別が蔓延。格差・貧困が拡大し、退役軍人の精神疾患も増大。「アメリカファースト」と称し、これらのツケを各国に押しつけようと無理難題を言っています。

 
 ◆身内優遇する安倍、瓦解する民主主義◆

 日本では、安倍自公政権が3期目に突入。経済成長と称しIR、すなわち博打政策を推進。教育・医療・福祉・農業・漁業・労働など全ての分野で弱肉強食の自由競争、市場原理主義を導入。人の命より目先の利益を優先し、原発再稼働・輸出を促進。民意を無視して辺野古新基地建設を進め、格差・貧困の拡大、少子高齢化、金融破綻。日産のカルロス・ゴーンや東芝・宇部興産・神戸製鋼など大企業の不正・腐敗が横行。

 国民の財産を「お友だち」に安く売りさばこうとした森友・加計問題。安倍首相の意向に合わせた文書改ざん、嘘の国会答弁、権力に近い人間の起こす違法行為については逮捕も起訴もない忖度(そんたく)政治は目に余るものがあります。民主主義の破壊そのものです。

 外交は完全に破綻しています。朝鮮民主主義人民共和国との関係では制裁、圧力だけで交渉のパイプは切れ、先方からは鼻にもかけられない状況です。プーチン大統領との会談で今にも北方領土が返還されるかのように報道されていますが、領土は「一ミリ」も動きません。これは安保条約が原因であり、完全に行き詰まっています。

 韓国との関係では、徴用工に対する韓国最高裁判決を激しく非難。韓国・中国とは侵略戦争をめぐる歴史認識問題で日本政府の歴史歪曲・修正主義により決着がついていません。「隣国との和平なくして自国の安全はあり得ない」ことは歴史が証明しています。
このように安倍政権は極めて深刻な危機に直面しているのです。

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 ◆弾圧は危機の反動、闘いで勝利掴もう◆

 権力者はこうした深刻な危機を打開しようと私たちのような闘う労働組合を弾圧しています。起きていることは敵の危機の反動であり、敵は大きな弱点を抱えています。そこに刺さり込む運動を展開すれば勝利の法則を掴むことが可能なのです。

 セメントとゼネコンは今回の弾圧を「千載一遇のチャンス」として中小企業間の分断、労働組合間の分断、御用組合化策動を実行し、協同組合を骨抜きにしようとしています。一定の時間が経てば中小企業を踏み台にし、労働者を犠牲にするものであることが明らかになります。生コン産業は構造不況業種であり、中小企業の団結と労働組合との協力・連携なくして大企業の収奪政策と闘い成果を得ることは不可能です。

 1979年から続いている「共同受注・共同販売・シェア運営」は我が組合と協同組合によって考えた制度です。1994年、現在の大阪広域協組の設立は我が組合の全面的協力によって初めて可能になりました。2015年1月、3つの協同組合および協同組合未加入(アウト)社との大同団結を可能にしたのは我が組合なのです。


 ◆生コン業界近代化、牽引役は関生支部◆

 これまでの歴史は、業界が順調に行き出すと労働組合を裏切る歴史でもあります。それでも労働組合は粘り強く取り組み、「練り屋」などと言われている関西の生コン業界が「生コン産業」と言われるように奮闘。組合総研を設立し、労使一体となって学習・歴史教養ツアー・技術開発・安定供給・適正サービス・適正価格収受に尽力し、成果を上げてきました。

 この間、2人の仲間が殺害され、多くの仲間が不当弾圧を受けてもなお諦めることなく闘ってきました。そのことにより中小企業の経営安定、労働者の賃金・労働条件の改善を果たして今日があるのです。いかなる逆風があろうともこの運動は沈むことはありません。沈ませてはならないのです。

 大阪広域協組の4人組は役職を利用して協組員への恫喝・嫌がらせを行い、差別・排外主義者や「ヤメ検」弁護士を抱え込み関生支部との関係を断ち切るよう攻撃しています。そして、中協法や労組法、刑法に違反する行為を繰り返しています。昨年6月のTYK高槻生コン社への勝利判決のように、これは通用しなくなっています。

 今回の我が組合への権力による攻撃は暴対法の拡張適用であり、共謀罪の先取り的適用です。マスコミを利用して関生支部の孤立化を図ろうとしています。この攻撃は大企業の収奪と闘う中小企業潰し、産業別労働組合潰しであり、産業・経済の民主化運動への攻撃であり、その先に戦争があることは歴史が教えています。私たちは闘いによりこれを粉砕します。

 ◆戦争政策を許さず、共生協同の社会を◆

 今年の重点課題は昨今取り組んでいる課題を追求しつつ参院選に全力を尽くすこと。合わせて、重点的に次のことに取り組みます。

 核戦争、環境破壊を許さない取り組みを展開すること、そして、すでに取り組んでいる社会的連帯経済を広げることです。「東アジア不戦」の取り組みの強化、共和国・韓国との和平会議、戦争終結を支持して過去の植民地支配についての謝罪・反省・償いを求め両国民との友好交流を強化します。領土問題解決の足かせにもなっている安保条約の破棄を求めます。

 辺野古新基地建設を認めず、意見広告運動をはじめ現地での闘いを強化します。さらに、日米地位協定の見直しを求めます。戦争法や共謀罪の適用・拡大を許さず、改憲阻止の取り組みを強化します。福島をはじめ東北の仲間と連帯し、震災復興・原発被害回復に全力を尽くします。

 

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 ◆歴史の教訓に学び、正常化を実現する◆

 関西の経営者・労働者は2005年の経験を思い出すことが必要です。すなわち、「連帯の時代は終わった。これからは建交労の時代だ」と言われ、以降2年、ゼネコンへの過剰サービス、生コン価格の引き下げ、セメントメーカーによる一方的な3回の値上げなどで、労働者は2年間賃上げゼロを強いられました。このようなことを許さない闘いを展開します。

 志を共にする労働組合、市民団体との共闘強化、関西の生コン業界の再建(大阪広域協組4人組の支配体制は内部矛盾の拡大と我々の闘いで崩壊させます)、組合総研の強化、島興し活動の強化、文化活動の強化、19春闘勝利、組織の質的・量的強化、関生型運動の全国化、労働学校の前進、不当弾圧粉砕などの課題に全力を挙げます。

 今年も力強く、元気に楽しく、粘り強く、勝利の法則に確信を深め、闘う年とします。

 「闘い(抵抗)は友を呼ぶ」。この先人の教えを肝に銘じてこの一年、全組合員が一丸となって闘うことをここに表明します。


   【 くさり1月号より 】


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