訪韓団レポート
11月8日から11日までの4日間、去年に引き続き訪韓団として参加しました。韓国に着いて建設労組の方と懇親会を行いました。韓国では文在寅政権2年目になりましたが、未だ公約が守られず、資本家、財閥に擦り寄る態度も見せているということや建設労組ではチャンオッキ委員長が拘束されているという現状報告を受け、訪韓団としては連帯労組における不当弾圧について意見交換できました。文在寅政権になり労働組合に入った人数が10万人増え、そのうち1万人が民主労総に入ったと聞き規模の違いに驚きました。
2日目は戦争と女性人権博物館に伺いました。ネパール、フィジー、フィリピン、マレーシアの労働者の仲間と合流し共に学びました。この施設では、韓国のベトナム戦争中の虐殺、性暴力は恥ずかしい歴史としてベトナム人被害者の証言や写真を展示しています。
やはり忘れてはいけない歴史である日本軍慰安婦問題を広く知らせ、記憶させるための施設であると感じると共に、被害者が沈黙を破り真実を聞かせてくれなかったら日本軍慰安婦問題は歴史に埋もれたままでしたので、ハルモニ(おばあさん)に対する誠意ある謝罪をすべきだと思います。ハルモニは「日本政府から賠償金が出たら、今も戦時下で性暴力の被害に遭っている女性たちに全部あげたい」ということで、内戦があったカンボジアの性奴隷にあった女性たちの社会復帰に役立てるそうです。韓国に対する誠意ある謝罪は口先だけの謝罪ではなく、例えばドイツでは大統領が変わると就任後すぐユダヤ人大虐殺のあったアウシュビッツ収容所に訪れ跪いて謝罪するように、安倍政権は心のこもった謝罪をすべきだと思います。
その後移動して治安本部(現人権センター)に行きました。軍事政権時代に運動していた活動家を拷問した施設です。建物は物々しい雰囲気が残っており作りや間取りは拷問に適した作りとなっていました。部屋の中は改装されていましたが、ひとつの部屋は当時のままでした。その部屋は1987年にパクジョンチョルさんが大学三回生の時に下宿先から連行され取り調べと言う名の拷問中(水責め)で亡くなった部屋でした。連れてこられて2時間で亡くなったということはかなり激しい拷問だったと思います。1年の間に、この事件と学生が催涙弾に直撃し亡くなった事件があり、社会に強い影響を与え民主化闘争となり大統領直接選挙制となりました。この施設は今、警察が人権センターとして管理しており、過去と同じ過ちは繰り返さないことを教訓としていました。
そして、次に植民地歴史博物館に伺いました。豊臣秀吉の朝鮮出兵から始まり朝鮮半島における植民地の歴史を学びました。
歴史を知ること忘れないことが未来へと繋がり、歴史を直視しないと平和、共生はできないと感じました。最後に近くの大学から来ていた学生さんから菊池委員長が取材を受けていました。
3日目は、モラン公園でチョンテイル烈士をはじめ、活動家の方のお墓参りをした後、労働者大会に参加しました。建設労組の事前集会では菊池委員長が「韓国でも日本でも私たち労働組合の正当な組合活動が脅かされています。チャンオッキ委員長と関生の不当弾圧は起きていることは一緒だ。同じ労働者として連帯して頑張りましょう」と挨拶しました。
そして労働者大会本番、昨年も圧倒されましたが、人!人!人!6万もの労働者が集まりました。
労働者大会では文在寅政権の経済・労働政策が後退していることや積弊清算や労組活動の権利保障そして政権に対する期待と要求が失望と絶望に変わってしまった。経済と民生問題を最低賃金引き上げが原因としました。最低賃金算入範囲拡大を含めた最低賃金法改正などは改悪だと主張しました。そして11月21日からゼネストに入るということでした。海外から参加した労働者のゲスト紹介ということで連帯の旗と共にステージにも上がらせてもらいましたが目の6万人もの人がいる風景は圧巻でした。
この熱気を日本に持ち帰り、学んだことを活かし関生支部における権力弾圧を跳ね返し仲間の早期奪還と支援に取り組みます。そして正しい歴史を学び、そして共に生き、闘っていくためにはどうしたらいいかということを考え伝えていきたいです。
【記事:訪韓団メンバー】