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くさり8月号1面

見出し

 1994年に大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が設立されたとき、その組織率は30%台でした。有力アウト社の早水組に対して全港湾と共に6ヵ月間の行動を展開したことにより、早水組が協組に加入したことから、一気に組織率が上がりました。この労使協力関係の樹立により、生コン価格が?8000円台から?13400円に回復したのです。


 ●安定と混乱を繰り返す生コン業界●

 大阪広域協組3代目理事長の時代には、交際費問題の内紛やセメントメーカーの東京本社による理事長人事介入により、協同組合が「セメント販売の手段」に変質するようになりました。

 決定的なのは5代目理事長の時代です。東京本社の指示のもと「アウト社もお客様だ」としてアウト社との共存路線をとったことにより価格が下落。さらに協同組合は「セメント販売の手段」との路線が強まりました。

 2004年には、大阪の生コン業界の安定化を目指して当時の有力アウト社17社18工場が大阪広域協組に加入する運びとなりましたが、これをよしとしないセメントメーカー、大手ゼネコン、大手商社が権力を使い、2005年1月13日から5次にわたる弾圧を関生支部に仕掛けたのです。

 この時期、「関生支部の時代は終わった。これからは建交労の時代だ」との宣言がありましたが、2005年から2006年にかけて、土曜日休日出荷やシュート洗浄袋の使用などゼネコンに対する過剰サービスが常態化。さらに、生コン価格の下落が始まり、?14300円の標準価格が?1万円を下回り、それと同時期に、セメントの値上げが3回も行われたのです。

 ■ 4ヵ月半のゼネスト■

 一方、セメント支配に対し、中小専業社のグループとして阪神地区生コン協同組合が2008年に結成されました。当時、大阪の生コン業界は四分五裂の状況に陥り原価割れが続いていましたが、和歌山県は2004年から労使協力のもと業界再建を展開し、順調に推移してきました。

 2010年7月1日から、生コン価格の値上げを求めて大阪府下(兵庫の一部)でゼネストに突入。4ヵ月半のストライキを打ち抜いた結果、生コン価格は?16800円になりましたが、大阪広域協組の木村理事長が「あれは労働組合が決定で無効である」と横暴にも値上げをつぶしてしまいました。

 その後、多くの企業が倒産するなど極めて深刻な状況下に陥りました。


 ■ 労使協力に向け合意 ■

 そこで、2015年1月、業界関係者と関生支部による会談が行われ「大同団結しなければ業界そのものが社会的責任を果たせなくなる」と基本合意しました。

 「労使の信頼関係を得るため、過去の約束を履行することが重要」との立場に立って次のことが約束されました。「?当たり100円を労働組合に支払う(大阪府下全量)」「長年にわたる実損の回復とグリーンコンクリート研究センターの設備を買い取る」というのもでした。その結果、大阪の大同団結が一気に進み、市場占有率が高まり(現在では99%)値戻しが進むようになったのです。

 このような事情を聞きつけた建交労、UAゼンセンは労組連合会加盟を申請してきました。その時、建交労は過去に関生支部に対する誹謗中傷を繰り返したことを改め、今後このようなことがないよう誓約したのです。

 「喉元過ぎれば熱さ忘れる」業界に対し、次の6項目の改善要求を5労組(建交労、UAを入れて)として提出しました。

 ①労働組合との協力関係の構築、②協同組合の品位を汚さない、③理事職は公人職であり、私的利益は慎む、④生コン経営者会への全社加盟、⑤労使の協力関係を内外に公表する、⑥生コン輸送・バラセメント輸送の運賃の引き上げ。

 生コン価格は?6000円も上がったのに、生コン輸送・バラセメント輸送運賃が上がらず、これを追及すると、「生コン輸送運賃大型1日55000円、バラ運賃引き上げは協議する」との約束がなされましたが、現実には一向に上がらない状態が続きました。

 
 ■ 運賃アップ求めスト ■

 大阪広域協組が、2017年12月12日までに約束を履行する文書を提出しなければストライキに入ると通告しました。このことは、同年9月頃から言い続けていたので5労組も同意していましたが、12月9日になり建交労、生コン産労、UAゼンセンは「ストはできないが妨害はしない」との合意のもと、全港湾、関生支部はストライキに突入したのです。

 生コン輸送・バラセメント輸送運賃の引き上げを求めるストライキに、バラセメント輸送協同組合、大阪兵庫生コン経営者会、近畿生コン輸送協同組合は「自らの問題として協力する」との立場を明らかにしていました。

 ところが大阪広域協組は、差別・排外主義者、右翼を雇い関生支部潰しに集中してきたのです。大阪広域協組は関生支部に対して「威力業務妨害、組織犯罪だ」としてキャンペーンを張り、あろうことか建交労、UAゼンセン、生コン産労を取り込みました。さらには関生支部役員との面談拒否、これに反した場合は割付をストップする。また、関生支部と協力関係にある企業とは取引しないと宣言し、セメント供給までもストップしたのです。

 これを指導しているのは大阪広域協組の木村、地神、大山、矢倉の4人組です。このことにより、従来の約束は全て反故になりました。

 関生支部攻撃の狙いは、大阪広域協組4人組への利権の集中と従来の約束不履行、労使関係の破壊なのです。4人組は、和歌山県生コン工業組合から除名されていた丸山克也を引き入れ、西日本連合会を結成するに至りました。和歌山では業者間の分裂により?2000円の値上げができない状況に陥っています。

 ■ 反転攻勢とその成果 ■

 2018年6月21日、ティーワイケイ高槻生コンの大阪地裁勝利判決(①出荷割付を規定通り実行すること、②除名は無効)。7月3日には大阪広域協組、中央大阪生コンが関生支部相手に起こしていた「営業妨害禁止仮処分命令申立」を取り下げ、敗北しました。

 さらに、6月23日に中之島中央公会堂で開催した大決起集会が成功をおさめました。

見出し

 ●中小企業と共に大企業の収奪と闘おう●

 ■歴史の教訓とは何か■

 (1)セメントメーカー支配の手段は多数の中小企業を分断することであり、それを支えている労働組合の力を削ぐことです。これを許せば中小企業の経営は不安定になります。

 (2)「労働組合の社会的使命は労働条件の改善と共に大企業の収奪と闘い、中小企業の利益を守る政策 闘争が重要で成果が上がるものである」ことは東京、名古屋の例を見れば明白です。

 (3)関生支部潰しの本質は中小企業の影響力を削ぎ、大企業支配の産業構造作りにあります。産業民主化から独裁支配への転換 です。

 (4)「闘う勢力を権力などにより抑制する」ことは全国民の人権抑制に繋がり、それは戦争へと突き進みます。資本主義の歴史は その繰り返しです。

 (5)特定秘密保護法、共謀罪、戦争法強行採決、原発再稼働、沖縄への基地押しつけ、憲法改悪の動きは 「いつかきた道」への動き。 私たちはいかなる犠牲を 払ってもこの道を阻止します。

 (6)労働者の団結力と行動力、中小企業との協働の力により、大企業による中小企業支配から産業民主化 により中小企業の経済的・社会的地位向上、労働者の福祉増進に全力を尽くします。時代が求めているのは競争ではなく共生・協働です。今日まで蓄積してきた成果をさらに発展させ、勝利の法則を勝ち取ります。


  【 くさり8月号より 】


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