2018年6月12日アメリカのトランプ大統領と朝鮮民主主義人民共和国のキムジョンウン委員長が、シンガポールで会談しました。両首脳は、両国の関係改善をめざす共同声明に署名したのです。今後は、朝鮮半島の休戦から終戦への方向に進むことが予想されます。
これは、自主防衛を目的とした共和国の核開発の成功により、アメリカが共和国を自国の従属国にすることをあきらめたこと。韓国の民主労総をはじめとする民衆の闘いが、前政権のパククネを倒したことが要因であり、民族の自主・自立の思想で闘うことが重要なことを示しており、私たちに教えています。
共和国の核やミサイルの開発は、自主防衛の正当な権利なのです。国連の常任理事国の全ての国が、核兵器を所持してます。また、アメリカ寄りのイスラエルやパキスタンも核兵器を所持してることは承知の通りです。
このアメリカをはじめとする常任理事国が、自らの国は核兵器を所持しているのに他の国には所持・配備を認めないということは常識的には通用しないことは言うまでもありません。
イラクのフセイン政権が、アメリカから攻撃されて壊滅させられたことは記憶に新しいことです。イラクに大量破壊兵器がないことを知りながら、ウソの大義名分を世界に発信して、アメリカがイラク戦争に突入したことは、後日明らかにされています。
このようなイラクやリビアの例を見れば、共和国が核を開発するのは、自らの国を守るための正当な行為として認めらるのは当然のことです。
今回の朝米会談が開催されたのは、アメリカが共和国の核開発の事実に脅威を感じたことによるものなのです。
この共同声明の中身を具体的に実現するためには、戦争をしないことをアメリカの議会で承認を得ることが必要です。もうひとつは、朝鮮戦争を終結する手続きを進めて、協定を交わすことです。
日本は、韓国・中国と連携して共和国を経済支援することが求められます。日本は、過去の侵略・植民地政策に対して義務があるからです。
この間、安倍政権は共和国を対象に戦争法などを確立し、共和国を仮想敵国として国民を煽り、軍事力を強化してきましたが、その必要がなくなったことを確認することが重要です。
一方、安倍政権は次の仮想敵国として中国を持ち出すことが予想されます。軍事力の増強には私たちの税金が使われ、アメリカの軍事産業や日本の大企業の利益にしかならないのは言うまでもありません。そのしわ寄せが、福祉の切り捨てなど国民の生活に悪影響を及ぼし、若者の閉塞感がさらに強まるのです。現在、社会で起きている犯罪の動機(傷つけるのは誰でもいい)に見られるとおりです。
私たちには、安倍政権の本質(誰の利益になるのか)を暴露して、安倍政権を倒すことが求められています。現在、労働組合や政党に不信や不満を持っている大衆から信頼されるためにも街頭宣伝などあらゆる行動を組織して闘うことが必要です。
【 記事:武谷書記次長 】