学習を創造的活動に活かそう
教育部では、月に一度開催する幹部教室を通じて、執行委員のレベルアップに力を入れています。今回のテーマは「労働組合とは」です。
私たちは、労働組合でめまぐるしく活動している。しかし、自らが日本の労働者や社会にどのような影響を与える立場にいるかを改めて考えることはあまりない。その活動の必要性や意義を深く知り、今後の活動をさらに向上させよう。
■資本主義社会により、少数が多数を支配!■
労働者とは、労働力を提供し生活の糧を得る人。一方資本家は、生産手段を持ち労働者に労働力の対価として賃金を支払い利潤を得る人たちのこと。両者の利害は決して相容れることができない関係である。
少数の資本家が大多数の労働者を統治するためにできた制度が資本主義社会である。資本主義の秩序を守るため、政治家、軍隊、警察、メディア、教育などあらゆるものを有効に利用し労働者を分断。正規・非正規など労働環境の違い、企業間での労働者の競争を強化することで労働者が団結しにくい状況を作り出している。
また、マスコミは資本主義社会に都合のいい情報を垂れ流すという大きな役割を担っている。軍隊、警察は資本主義社会を守ることを目的とした統治機関である。
日本では現在、非正規雇用労働者が4割の大台を突破し賃金も大きく低下。ワーキングプアといわれる低所得者層は4人に1人となっている。職場に低賃金労働者を置くことで労働者を差別化し、正規雇用労働者の労働環境もサービス残業、長時間労働を強いられるなど大きく低下し、過労死問題などが社会問題になっている。
■団結条件があるなか、なぜ伸びない組織率■
労働者が団結できる条件が整っているにもかかわらず、なぜ労働組合組織率が伸びないのだろうか?連合をはじめとする日本の労働組合は、正規雇用労働者を対象とする企業別労働組合が中心であり、非正規労働者は枠の外にある。また企業別労働組合は企業の業績に大きく左右されるため、他企業との競争に巻き込まれ労働組合としての役割を果たすことができないのが現状である。
■「連帯」の強み活かし、労働者を団結させる■
一方、連帯労働組合は生コン関連業界に特化した産業別労働組合である。産業別労働組合の長所は、個別企業の業績に影響を受けず、同一産業の労働者間の競争を排除でき、求める要求が一致しやすいという点にある。また、正規非正規を問わず加入できる大衆性も兼ね備えている。業界で働く労働者が団結し、業界全体を変えていく。たとえ会社が潰れても業界全体に責任を求め、業界で雇用させる、優先雇用という大きな成果も勝ち取っている。
この大きな成果を、想像力・創造力を発揮して他産業にも発展させなければならない。
非正規労働者とも団結、企業別から産業別労働組合に大きく変えていかなければならない。相手は強大な権力を持っているが少数。労働者を分断するしか統治する方法がない。労働者が団結すれば打つ手がないのだ。どうすれば団結できるのか、創意工夫をして労働者が主人公となれる社会建設のため頑張っていこう。
【 くさり1月号より 】