子育て問題
●熊本市議「仕事と両立体現したかった」と子連れで議場に●
熊本市議会の緒方有佳市議が11月22日、生後7ヶ月の長男を抱いて本会議場に入り、乳児同伴で本会議に出席しようとしました。しかし、議長や議会事務局員らに説得され、断念したそうです。
議会事務局によると、市の会議規則には乳児の同伴を禁じる定めはないが、議会傍聴規則は「傍聴人は議場にはいることができない」と定めており、長男を傍聴人とみなして同伴は認められないと判断したということです。
緒方市議は長女の出産を機に2015年4月の市議選に立候補し、初当選。本会議のあと「子育てと仕事を両立しようとしている女性たちが直面している問題を体現したかった」と同伴の理由を説明。「子ども連れで出席できるかなどを議会事務局に相談したのですが、ベビーシッターを雇って下さいという対応で変わらず、らちが明かないと思ったのです」と話しました。
★欧州議会は容認しています★
議場への乳児同伴をどう考えるか。「排除するのではなく、日本でも乳児連れは認められるべきだ」と、上智大学の三浦まり教授は話します。
欧州議会では例外的に同伴を認めており、三浦さんによると豪州では議場での授乳もできる。母親と乳児は授乳の権利を持つという考えからで、女性議員が増えるにつれて容認する動きが広がったということ。
一方で日本の議会は、生活に何らの支障のない「健康な男性」をモデルに運営されている、と指摘。人口が減り、高齢者や障害者などの社会参加が重要になる中、法令や予算を話し合う議会は、特に多様な声が必要だと。
議員は会社員と異なり、制度化された育休もない。「現状では議会に出るか、子どもと離れるのかの選択肢しかない。これをきっかけに議論を深めてほしい」と。
日本の議会では、男性中心の運営がなされていることが問題であり、女性議員の現状に配慮した運営が求められています。私たちも関心を深め、支援することが必要です。
【 記事:武谷書記次長 】