経営者セミナー
11月10日、協同会館アソシエで「経営者セミナー」谷口真由美講演会(主催:組合総研/大阪兵庫生コン経営者会)が開催されました。テーマは「誰もが自分らしく生きられる社会に向けて、新政権に求められる経済・社会の課題は何か」でした。
■2年前誰に投票したか■
「10月の衆院選挙は、投票率が50%を下回っていることから、自民党の大勝とはいえません。2年10ヵ月前の選挙で、皆さんは誰に投票したか覚えていますか?」
「憲法の主権は、国民にある。すなわち皆さんのこと。しかし、議員制民主主義の下、皆さんの投票で当選した、国民の代表である議員の活動を、皆さんがチェックして育てるという行動がなく、国民主権をないがしろにしているのは皆さんでは」との谷口さんの問いかけからセミナーは開始。「国会議員は法律をつくる唯一のメンバーです」と、民主主義がアメリカから始まり、アメリカ憲法は改憲はしていないが、加憲はしているとの説明から、日本の憲法のことに触れました。
大日本憲法(明治憲法)は、「外形的立憲主義」で、主権者は天皇。すべての国民は天皇の赤子(子ども)であり、天皇の恩恵の範囲で人権が認められてきた。臣民(国民)の権利は法律の範囲で決められていたので、治安維持法などの悪法がまかり通ったと。
日本国憲法は、主権が国民で、代表を決めて国会に送るというシステムをとっていることから、谷口さんの冒頭の問いかけがあったのだと思います。
また、現在の憲法90条(地方自治)が問題で、沖縄の自治はどうなるのか?96条(改正)は、国民投票の投票率が重要、99条(尊重義務)は、国務大臣、国会議員、裁判官、その他の公務員は憲法を遵守する義務があることなど、笑いを交えながら説明していただき、とても分かりやすかったです。
■国民それぞれが努力を■
さらに、谷口さんは「政府の言い分そのままを流すメディアには、裏に何があるのか?と本質を見抜き、本来、世論を形成する主権者の国民として批判することが重要」との意見に続き、「現政権による特定秘密保護法、安保法制、共謀罪により戦争ができるようになった。武器3原則は変更されて、防衛装備移転との名で、開発援助の対象国政府に武器を援助することが可能になった。我々の税金が人を殺す武器に使われている」「森友・加計では、安倍首相の友だちなら安くなる」「野党による臨時国会の要求には応えず、9月28日に開かれた国会で安倍首相は、所信演説はなく、何のための解散かの説明もないことは戦後初めてであり、主権者(国民)をバカにしている」と指摘。現在の日本国憲法の条文12条の「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」をあげ、課題を提起しました。
トランプ大統領の娘イヴァンカの来日費用は日本の税金を使っていること、ファーストレディやファーストドーターの法的根拠がないこと、トランプ大統領が米軍横田基地に降りたこと、会談でトランプが「我々は同等ではない。日本は2番手だ」との発言に、安倍首相はニコニコしていたこと、ワシントンポストが「日本のリーダー安倍は、トランプの忠実なしもべ」と報道したことなどをあげ、「日本がアメリカの従属国である」との谷口さんの指摘は正しいと思います。
■対米従属を断ち切ろう■
最後に、谷口さんは「地元から出ている議員をしっかりチェックして、応援して、指摘することをお願いします」と発言して講演は終了。講演後、武委員長が「アメリカ従属を断つためには、安保条約を破棄することだ」と行動を提起してセミナーはお開きになりました。
私たち労働組合は政治闘争を進め、対等な日米条約を締結させる闘いを強化し、行動することが必要です。
【 くさり12月号より 】