近畿生コン関連団体労使懇談会
■滋賀でも連合会構想が■
10月27日、近畿2府4県の生コン関連団体との労使懇談会が開催され、各地区の報告がなされた。
大津・湖東では、生コン価格18700円を収受している。アウト2社の協組加入により、滋賀連合会構想が加速。また、湖東協組では、輸送の協業化に向け労使協議を進めていると報告があった。奈良では、中南和協組が連合会に加入したことで、奈良県下の生コン価格が17200円となり、来年度はスランプ差をなくすことで、実質的には700円の生コン価格引き上げになると報告があった。
経営者会からは、広域協組の現状報告として、10月1日付けで賛助会員が正会員となったこと、11月7日付け理事会では兵庫県東播地区27社の加盟が承認される予定だと報告があった。また、広域協組では来年4月から18500円、2019年4月より22700円を収受するとしている。
近バラ協・輸送協は、労組連合会との懇談会開催や「バラ専」の再開を求めると報告。近圧協組は、来年4月1日から、一回1万円、100円/?の価格改定を打ち出すと同時に、未組織である小型社の組織化に取り組むことが報告された。
この後、労組連合会武議長が以下のように提起した。
一部の経営者は『経営者会加入は負担が増える』と言うが、集団交渉が継続して始めて業界は正常化する。しかし、広域協組も経営者会加入が良いとは言うがまだ加入していない。
82年当時、日経連の大槻文平氏が集団交渉潰し、工組の機能停止、経営者会を分断した結果、業界はバラバラとなり、値下合戦によって業界が崩壊の危機に直面したことから、94年に広域協組が設立されたとの歴史がある。
■重点課題は運賃アップ■
年末に向けた最重点課題は、バラ・ミキサー運賃引き上げだ。過去、バラ専は協議ばかりだったが、今回は運賃引き上げが実現するまでストを貫徹する。
各地区が前進基調にある要因の一つは、歴史的に各地区で労使紛争が絶えなかったが、経営者が紛争では得るものがないことに気づいたことだ。
二つ目は、生コンは不況業種に指定されるほどに需要が低下し、価格競争が出来ないという情勢の変化。
三つ目には、中小企業と労働組合が一面闘争・一面共闘で産業民主化を徹底してきたことがあげられる。
今後も、定期的な懇談会を継続することで、歴史と情勢認識を労使が共有して対処することが重要である」と語った。
【 くさり12月号より 】