問題が残る勝利判決
元航空会社員の「解雇無効」は勝利判決。しかし、不当労働行為は判断せず。
労働組合の結成後に解雇されたのは違法だとして、エミレーツ航空西日本支店に勤務していた3人が、正社員であることの確認を求めた訴訟の判決が10月23日、大阪地裁でありました。内藤裕之裁判長は「解雇は無効」とし、会社に解雇したあとの給与や賞与を支払うよう命じるという画期的なもの。
判決によると、3人は航空券の予約・発券などを担当。2013年1月に労組を結成し、未払い残業代の支払いなどを求めて団体交渉していたが、所属部署が廃止され14年9月に解雇されました。
判決は、会社の経営は安定的で「人員削減の必要性や緊急性は高くなかった」と指摘。3人が会社で勤務を続けられるための措置も不十分だったと判断でした。
一方、解雇が組合活動を理由とした不当労働行為だったかどうかは、「検討する必要がない」と判断したことについては、大いに問題があります。
労働組合法で使用者(会社側)に禁じている「不当労働行為」を、司法が断罪しないのは不当な判決と言えるのではないでしょうか?
私たち労働組合は、司法に委ねず、労働現場での闘いによって勝利することを原則としています。しかし、司法が労働組合法を軽視する対応を見過ごすわけにはいきません。
司法の姿勢を改めさせる闘いとして、私たち労働組合が、職場を中心とした労働現場でしっかり闘うことが重要です。その闘いの積み重ねによって、司法の姿勢を変えることにつながるのです。
【 記事:武谷書記次長 】