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朝日分会

 本年9月、関生支部および朝日分会は、日々雇用労働者に対する「当日キャンセル」の完全撤廃にむけ立ち上がった。この取り組みは、朝日分会の日々雇用労働者だけでなく、日々雇用労働者全体の念願であって、多くの生コン労働者や生コン輸送業者などから注目されている。

  日々雇用労働者は、前日、供給先企業から所属労組に供給依頼が届いた時点から、自分の余暇時間や組合活動等の機会を処分し、翌日の就労に備え、万全の体制を整えねばならない。就労決定時点から身体が拘束されるのである。
このように日々雇用労働者の労働契約については、前日に行われる企業の供給依頼の時点で締結される。それを当該企業の都合で一方的に解除することは契約不履行に該当する。つまり、一方的に雇用をキャンセルされた当該日々雇用労働者には供給依頼元の企業に対する「損害賠償請求権」が発生するのである。

  また、日々雇用労働者など非正規雇用労働者については、安価な労働力をもって企業の生産性を上げるため、また、企業が必要とするときにいつでも必要なだけの労働力を確保する雇用の調整弁「産業予備軍」としての位置づけでつくられてきたものである。いわば日々雇用労働者は、国策や産業、企業の都合で生まれたものである。その雇用責任は、国は勿論のこと、産業、企業においても責任が課せられるものであり、当然、当日キャンセルについても補償をしなければならない。

 なお、この当日キャンセルによる被害は、日々雇用労働者と同じく経済的弱者の生コン輸送業者なども被っていたのである。

 今後、朝日分会は、労働者自身の権益だけでなく、就労機会の多い生コン輸送業者の当日キャンセル撤廃などもあわせて求めることによって、業界再建と組織拡大を一体的に追求する方針を固めている。

 今年8月1日、朝日分会内に新しい枠組み「フリースタイル班」が誕生した。このフリースタイル班については、朝日分会が従来とってきた「幹部育成」という既定路線だけでなく、現代社会の多様化する個々人の価値観やライフスタイルを尊重して、それに対応していくことで、多くの労働者に対して生コン業界での就労機会を提供するという目的で創設されたものである。

 今後、朝日分会は従来路線に加え、新設のフリースタイル班を活用した新たな拡大路線を展開していく。

●多様性を拡大に活かす多様性を拡大に活かす●

 皆さんは、「ダイバーシティ」という言葉はご存じだろうか。それは人間一人ひとりが持つ違い、例えば人種、国籍、性別、学歴、年齢、職歴、障がいの有無等の外形面、また、宗教観、価値観、世界観、嗜好、性格等の内面も含め、個々の違いを受け入れ、認め合い、それぞれの個性をプラスの価値として積極的に活用するという概念のことを指す。そういった多様性の受容は、当の個人に対してだけでなく、組織、ひいては社会にとって大きな活力となる。

 現在までに、組織内において1名の移行者と数名の希望者がでている。

 またセメント生コン業界で働く様々な立場の人たちには、関生支部の優先雇用協定を活用したいとう潜在的需要が存在し、また共闘関係のコミュニティユニオンなどからは、活動家の拠り所として活用したいという希望の声なども届いている。

今後、朝日分会としては、このような期待の声をフリースタイル班で受け止めることで新たな拡大路線を模索し、展開していく。


  【 くさり10月号より 】

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