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国の主張を退けた判決

 ◆社会に国が根付かせてきた差別意識を一刀両断!◆

 大阪朝鮮高級学校(大阪府東大阪市)を高校授業料無償化制度の適用対象から外した国の処分の是非が争われた訴訟で、大阪地裁は7月28日、処分は違法だとして取り消し、無償化を命じました。

報道によると「教育の機会均等の確保とは無関係な政治的意見に基づいており、裁量権を逸脱している」と認定。北朝鮮や朝鮮総連との関係を理由に、朝鮮学校を除外してきた安倍政権の姿勢を厳しく問う判断とのこと。この裁判所の判断・認定は画期的です。

高校無償化法は民主党政権下の2010年4月に施行されました。大阪朝鮮高級学校も毎年11月に適用を申請していましたが結論が出ぬまま、12年12月に自民党の第2次安倍政権が発足したのです。安倍政権の文部科学相に就任した下村博文氏は「拉致問題の進展がなく、朝鮮総連と密接な関係にある」と発言し、2ヶ月後に朝鮮学校を制度から外したのです。

訴訟で国側は、北朝鮮との密接な関係を指摘した報道などを根拠に、学校が朝鮮総連による「不当な支配」を受けていると主張し、無償化の適否を判断する基準である「法令に基づく適正な運営」の確証が得られない、としていました。

 ◆子どもの学び舎に土足で踏み込む行政権力の姿露呈!◆

 今回の判決は、適正運営の判断は財務状態などで客観的に認定するべきで、「不当な支配」の判断は文科省の裁量に委ねるべきではないとしました。

 裁量を許せば、逆に行政権力による教育への過度な介入の容認につながると懸念し、戦前・戦中の軍国主義的な教育への反省からできた教育基本法の趣旨に反するとの認識を示したのです。

 その上で、不当な支配の有無を検討したところ、国側が示した報道内容が、合理的根拠に基づくと立証されていないと指摘。学校への朝鮮総連の一定の関与は認定しましたが、歴史的事情を考慮すれば不適正とは言えず、不当な支配で自主性のない教育を余儀なくされているわけではない、と結論づけました。

 朝鮮学校の無償化除外をめぐっては5カ所で訴訟が起こされ、初の判決となった7月19日の広島地裁では学校側が敗訴。9月13日には東京地裁で判決があります。私たちは、この判決を支持して共に闘うことが重要です。


  【 記事:武谷書記次長 】

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