安倍政権の支持率が急落
「森友・加計学園問題」・「共謀罪」強行採決・現職大臣の発言や行動…
12年の第2次安倍政権発足以来、50%以上の支持率を保ってきた安倍政権。しかし、加計・森友問題のスキャンダルや「共謀罪」の強行採決などが大きな批判を浴び、都議選を前にして、安倍政権の支持率が急落している。
森友問題に加計学園、共謀罪の採決強行とやりたい放題の安倍政権。ここに来てようやくその支持率が50 %を割った。やっとと言うべきか、まだ高い言うべきか。
この不思議な高支持率を支えてきたのは10代、20代の若者だという。彼らに言わせると「長期政権となって安定した」「アベノミクスで求人倍率が上がった」。その目先にとらわれた安易な判断に唖然となる。なかでも注目すべきは、ここ数年で大きく伸びてきているのが、東大生の自民党支持率であることだ。
東京大学新聞社が毎年新入生を対象に行なっている調査によると、自民党の支持率は近年劇的に上昇。今年4月の調査では36%に達し、過去30年で最高を記録したという。その他の政党はどうなのか?民進党(3%)、日本共産党(2%)、日本維新の会(2%)が続いたが、昨年同様自由民主党が圧倒的支持を集めている。「支持政党はない」は39%、「分からない」は15%だった。いままで「支持政党なし・わからない」という無党派層が自民党を支持するようになったことが要因である。
「いまの野党を見ていると、自民党しか選べない」という声も多い。
現職議員の不祥事に屋台骨はボロボロに
しかし止むことのない不祥事の数々で、安倍政権は崖っぷちに来ている。
今村雅弘前復興大臣の東日本大震災をめぐる「あっち(東北)のほうでよかった」などの失言による更迭。暴行を受けたとする元秘書が、埼玉県警に被害の相談をしていたことが明かとなって豊田真由子衆議院議員は自民党に離党届を提出した。しかし、安倍は、トカゲの尻尾を切りはするが自身の責任は取らない。
さらに追い打ちをかけるかのように、稲田防衛大臣が東京・板橋区での都議選候補の応援演説で、「防衛省、自衛隊としてもお願いしたい」と発言したことが問題となっている。それ以外にも、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊部隊が日報に記載していた「戦闘」について「法的な意味での戦闘行為でない」などと答弁したり、「森友学園」との関係をいったん否定しながら、翌日に撤回・謝罪に追い込まれている。
国民の代表だということを忘れている、安倍政権に今こそ私たちが終止符を打たさなければならない。
労働組合がけん引して若者たちの視野広げる
一昔前、若者は権力に対して常に批判的だった。 一部の富裕層や権力者を利する動きを警戒し、国民をないがしろにする政治に反発してきた。それは健全な反権力思考であり、社会全体に一定の影響を与えていた。
ところが、テレビに新聞、インターネットにSNSと日々膨大な情報に囲まれているにもかかわらず、人々は自身の興味に引っかかったものしか見ようとしない。その傾向は若者ほど大きく、自身が関係するごく狭い範囲の出来事にしか興味を示さない。これでは、社会の動向を把握することも、権力に対する正しい判断もできるはずがない。
しかし事態は、子どもの貧困に教育格差、のしかかる多額の奨学金返済や年金など、若者が背負わなければならない問題が山積している。そのことを私たち労働組合こそが、若者に気付かせなければならない。彼ら自身の未来のために…。
【 記事:三田ブロック紙 『デカンショ』7月号より 】