街頭に出て行動しよう
■「共謀罪(テロ等準備罪)」法案を廃案にするために街頭に出て行動しよう!■
安倍政権は3月21日犯罪を計画した段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「組織的犯罪処罰法改正案」を閣議決定、衆院に提出、4月から本格的な審議に入りました。
安倍政権は、TOC条約(国際組織犯罪防止条約)の締結や、2020年の東京オリンピックの開催に向けたテロ対策のためにも法整備を急ぐ必要性を訴えていますが、憲法が保障する内心や思想の自由に踏み込む恐れがあり、原則を転換するもので、人権に制約を与えかねない内容なのに、これまでの安倍政権の説明では懸念を払拭できていません。
安倍政権は「テロ対策」を全面に出し、過去に3度廃案となった「共謀罪」と呼ぶのは「全くの誤りで、一般の市民は対象にならない」と強調しています。テロ組織や暴力団などの「組織的犯罪集団」に適用を限ると説明しており、「話し合っただけ」では処罰されず、「準備行為」が必要だとしています。
しかし、「犯罪を計画した段階で罪に問う」という点で、以前からの「共謀罪」と何ら変わりはないのです。安倍政権は「正当な活動をする団体でも、性質が組織的犯罪集団に一変すれば対象になり得る」と説明していますが、その判断基準はあいまいで、警察や検察など捜査当局の裁量に委ねられる部分が大きいのです。
国会で、「一般市民に影響が及ばない」とする根拠を問われた金田法相は、「提出後に説明する」と繰り返し、具体的な答弁をしない態度に終始しています。
治安維持法は、1925年4月にできました。当初は共産主義を押さえ込むための法律でしたが、取り締まりの対象は言論人や芸術運動まで広ったのです。法律制定にあたり、当時の若槻内相は「抽象的文字を使わず具体の文字を用い、決してあいまいな解釈を許さぬ」と答弁しました。小川司法省は「罪のない民にまで及ぼすというごときことのないように十分研究考慮を致しました」と説明しました。
今国会で安倍政権の説明は、「解釈を恣意的にするより、しっかり明文的に法制度を確立する」「一般の方々がその対象となることはあり得ないことがより明確になるように検討している」などと90年前の国会答弁と似通っています。
「共謀罪」は、3度も廃案となった法案なのです。時代状況が違っても、国家権力は人々を見張る装置を増やそうとするものなのです。「共謀罪」法案が通れば、警察や検察などの捜査機関の横暴だけではなく、権力を恐れた普通の人たちが監視する側に回ることになり、社会は息苦しさを増していくのです。
与党である自民党幹部は「多少乱暴になるだろうが絶対に通す」と明言し、採決強行も辞さない姿勢を示しています。
私たち労働組合は、良識ある法律の専門家や日弁連、市民、農民、中小零細企業の経営者など、全ての大衆とともに「共謀罪」の本質を暴露して、法案成立を阻止する闘いが求められています。
街頭に出て反対の声をあげるなどの行動をしましょう。「共謀罪」を廃案にするまで闘い続けましょう。
【 記事:武谷書記次長 】