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= NO!共謀罪 =

 犯罪を計画した段階で処罰する「共謀罪」を盛り込む「組織的犯罪処罰法改正」案について、3月21日に閣議決定する方針を固めたことが報道されています。閣議決定後すぐに改正案を国会に提出する予定です。  

 安倍政権は、名称を「テロ等準備罪」としていましたが、条文に「テロ」の文字がないことを批判されたことから、適用対象に「組織的犯罪集団」に「テロリズム集団その他の」の文言を加えました。  

 「共謀罪」法案は、過去3回国会に提出されましたが、「内心や思想を理由に処罰される」などと批判されて廃案になっています。

 安倍政権は、「テロ等準備罪であり、中身も含めて、共謀罪と呼ぶのは誤り」と強調していますが、実態は過去からの「共謀罪」と変わらないのです。  

 過去の法案は捜査対象を「団体」としたため、「市民団体や労働組合も処罰される」という批判が出ました。今回は、犯罪の実行を目的に集まった「組織的犯罪集団」と規定していますが、安倍政権は、正当な活動をしていた団体でも「性質が犯罪目的に変われば適用対象になる」と説明しており、捜査機関の裁量で拡大解釈されることが危惧されます。  

 また、「準備行為」があって初めて犯罪が成立すると、安倍政権は説明していますが、何が準備行為になるかも捜査機関の裁量によること、集団の一人が準備行為をすれば、全員が捜査の対象になり、準備行為を直接行っていない人も「計画」だけで処罰されることになる恐れがあります。

 国際組織犯罪防止条約に入るために、「共謀罪(テロ等準備罪)が必要だ」と、安倍政権は強調していますが、外務省は「100カ国以上がはっきりしないままだ」「新たな法律が必要なかった国も多い」と説明しており、矛盾しています。日本弁護士連合会は「日本の今の法律にも予備罪などがあり、『共謀罪』をつくる必要はない」と主張しています。  

 法案では、277の罪を対象としていますが、組織的な殺人やハイジャックなど「テロの実行」に分類されるのは、110(40%)のみとなっており、なぜ対象となったのかわかりにくい罪名も多いのです。国際組織犯罪防止条約に入るために、罪名が676あったのですが、多すぎると批判を浴びて399の罪名を外しました。しかし、それでも不必要な罪名が含まれていることを指摘することが重要です。  

 私たち労働組合は、良識ある法律の専門家や日弁連、市民、農民、中小零細企業の経営者など、全ての大衆とともに「共謀罪」の本質を暴露して、法案成立を阻止する闘いが求められています。「共謀罪」を廃案にするまで闘い続けましょう。


  【 記事:武谷書記次長 】


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