第2回中央委員会開催
関西地区生コン支部は、2月18日に第2回中央委員会を学働館・関生で開催。17春闘方針と統一要求を決定した。このなかで「日々雇用の正社員化」「生コン・バラセメント輸送運賃の引き上げ」などを柱とする今春闘方針を確立し、各ブロックの要求を集約して統一要求書(セメント・生コン)を作成した。なお、統一要求書は3月1日以降、各社へ提出された。
◆輸送運賃で回答なければ即行動に◆
中央委員会は議長にN組合員(北AブロックS分会)を選出。
招集役員・委員の資格審査後、審査員の報告を受けた議長が中央委員会の成立を宣言した。
次いで、武執行委員長より17春闘勝利に向けた重点課題の提起が行われた。(以下、要約)
今春闘の要求の基本は、賃上げはもちろんのこと、雇用安定の実現だ。そのためには、昨春闘で合意した5割の正社員比率を引き上げなければならない。現在、行政からも「常態的な日々雇用は認めない」との通達が出されている。これを逆手にとって一気に正社員化を進めていこう。
そして、最低年収の確立だ。当面、最低年収630万円を確立する必要があるが、私たちが目指すべきは年収1千万円。それを実現するために取り組みを強化する必要がある。
さらに、福祉・教育の充実。これらは現在、労働組合が主導する形で制度をつくっているが、本来は業界が率先して予算を組んで実施しなればならない。
また、今年は、生コン輸送・バラセメント輸送の運賃を一気に引き上げることが最も重要な課題だ。もし、これが実現しなければ賃上げ・正社員化の回答は「絵に描いた餅」になる。交渉日程は3月末まで組まれているが、輸送運賃に関して納得のいく回答がない場合には3月中に行動に入らなければならない。
◆資本主義は限界に、変革を求める民衆◆
世界で今、注目されているのはトランプ米大統領の誕生だ。中東など7ヵ国からの入国禁止など、やっていることが滅茶苦茶だと言われている。しかし、ことの本質は、そうしたことを言わざるを得ない状況に米国自身が追い込まれているということだ。空洞化が進んでいる国内産業。だからこそトランプは「米国内に工場を建てろ」「メキシコとの間に巨大な壁をつくる」と言っているのだ。
規制政党や既得権益にしがみついている特権階級に対する米国民の怒り、「現状を変えてほしい」との思いが「トランプ旋風」の底流にある。資本主義の本質は利益拡大のための際限のない競争。トランプ大統領の誕生はそれが限界に達していることを象徴している。しかし、彼も所詮、米帝国主義の代表に過ぎないので、従来の戦争政策や各国への収奪政策をやめるわけではない。
この状況に最も動揺しているのは安倍首相だ。彼はTPPを閉塞した日本経済の起爆剤にしようとしていた。しかし、それもトランプ大統領誕生によって破綻し、右往左往している。
今、安倍政権がやろうとしているのは戦争による経済危機の打開。これまで、日本の軍事費(防衛費)はGDPの1%だった。それを2%まで引き上げようとしている。これは裏を返せばそれだけ平和を破壊し、福祉を切り捨てることに他ならない。そうなれば当然国民が反発するので、それを抑えるために共謀罪などの法的整備を進めている。私たちはこうした安倍政権の策動を絶対に許してはならない。
今春闘では、国民的要求として、TPPのような多国籍資本のための「自由貿易協定」に断固反対するとともに、原発再稼働反対、沖縄の基地撤去・辺野古新基地建設阻止、オスプレイ配備撤回、共謀罪廃案などを掲げて旺盛に闘おう。
◆関生型運動を広げ、共に生きる社会を
◆
そして、関生型運動の全国化・国際化を一層追求していく。3月25日には社会的連帯経済のネットワークづくりの第一歩として、新潟・東海地域の代表者を招いたシンポジウムを学働館で開催する。
さらに、組織拡大については組合員一人ひとりが知恵を出し合って創意工夫した取り組みを行ってほしい。他産業に比べて非常に優れている労働条件をセールスポイントにして万余の組織を確立しよう。
◆統一要求書を作成
決意固め、春闘へ◆
中央委員会はその後、各ブロックの要求を集約し、討論を経て統一要求を決定。3月6日から始まる17春闘の勝利に向け、組合員一丸となって闘い抜くことを誓い合った。
●2017年春闘 地本 ・支部統一要求(抜粋)●
【セメント・生コン】
1.賃金引き上げ
本勤/月額50,000円以上 日々雇用/日額3,000円以上
本勤労働者年間最低賃金/630万円以上
日々雇用最低賃金設定/総支給額35,000円以上
2.一時金および夏季・冬季手当
本勤/年間250万円以上 日々雇用/2時間保障 3ヵ月以上
(夏6月1日~8月末・冬10月1日~12月末)
3.総合福利
本勤/1人30万円以上 日々雇用/1就労500円拠出
4.日々雇用労働者の処遇改善
(1)当日のキャンセルについては全額保障すること。
5.定年・退職金について
(1)定年制を廃止し、終身雇用。
ただし、57歳以降で退職する場合は定年退職扱い。
(2)退職金の増額・支給期間の延長。
18~65歳まで対応する退職金規程の整備。
(3)60歳以降、現行90%を100%に。
6.産業別年金制度
(1)産業別年金制度の確立。
(2)日々雇用労働者にも適用し、1就労1千円の積立金拠出。
7.人員補充
(1)1車1.1人制が基本。満たない企業は必要人員の確保。
8.輸送運賃の最低基準
(1)輸送運賃を以下の通りとすること。
① 大型車1台あたり 日額6万円 月額120万円
② 中型車1台あたり 日額5万円 月額100万円
③ 小型車1台あたり 日額4万円 月額 80万円
【 くさり3月号より 】