犯罪を計画した段階で処罰する「共謀罪」の要件を変えて「テロ等準備罪」を新設する法案で、金田法相が「目配せだけでは、共謀を認めない」との見解が示されましたが、それを信用することはできません。
なぜなら、2009年に野党の質問に法務省の担当者が、「目配せでも共謀になる」と答弁しているのです。
また、この間の安倍政権は特定秘密保護法や安全保障関連法の採決を強行して成立させた後に、国会の答弁をないがしろにした経緯があるからです。特に、安保法はいわゆる戦争法であることから、武器輸出の規制緩和や軍産複合体で経済を立て直そうとする政策が、この間の報道で明らかになっています。
金田法相の見解は、法案を通すことを目的としたいいかげんな発言と捉えることが重要です。法案成立の後には、安倍政権の都合の良い様々な解釈をもとに執行されることが懸念されます。
日本弁護士連合会が、通常国会への法案提出に反対する意見書を公表しました。日弁連は、「国際組織犯罪防止条約」の締結は、現行法にある「予備罪」などの適用で締結が可能であると主張しています。また、テロ対策は個別の法律で対応すべきだとして、「共謀罪」は必要ないと批判しています。
日本弁護士連合会の意見書(リンク)
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/2017/opinion_170217_02.pdf
私たち労働組合は、日弁連や市民、農民、中小零細企業の経営者など、全ての大衆とともに「共謀罪」の法案成立を阻止する闘いが求められています。「共謀罪」を廃案にするまで闘い続けましょう。
【 記事:武谷書記次長 】