= 日々雇用労働者諸問題 =
■(1)確認書や申告書に署名捺印させる行政の強権的手法!
◇京都労働局は自身の責任を転嫁し、一方的解釈で変更を強行するな!◇
京都労働局の日々雇用労働者への締め付けは、以前より強化されてきている。
そもそも、不正受給を放置していた労働局側に大きな問題があるにもかかわらず、その責任を転嫁して不正受給していない労働者まで締め付けていることに大きな問題があるのだ。
私たちは、厚生労働省から認可を受け、労働者供給事業をしている。供給事業運営は90%以上が日々雇用労働者の供給を行う業務であり、行政機関との連携を図りながらこの間運営してきた。
しかし、今回の京都労働局のやり方は、私たちの供給組合をも無視し、組合員が手帳更新時に確認書や申告書に署名・捺印せざるを得ない形を強要している。
確認書については、一般的な日々雇用者へのアンケートで今まで行ってきた内容である。問題は、労働者に対して「署名捺印をしなければ手帳の更新を行わない」というやり方だ。そもそも、労供事業組合は組合員に新規で手帳を作るときは組合の在籍証明書を各組合が発行し、それを住民票とセットで労働者が職安に提出することで手帳の発行が行われる。更新時は住所変更がない場合には、過去数十年間、何の書類も提出することなく更新が可能であった。
このことから、7月には関西の生コン関連で供給事業を行う12団体で請願した。ところが、京都労働局は一貫して自らの間違った運用を正そうとしない。国が認めた認可団体をも無視する姿勢は断じて容認できない行為だ。
私たちはこのような行政機関による横暴を認めるわけにはいかない。そのため、今後生コン関連6労組で厚労省に対する申し入れを行うことになった。
■(2)どうなる?日々雇用保険手帳
◇「日々雇用手帳問題」労組連合会厚労省要請行動◇
9月30日、京都労働局の日々雇用労働者への締め付け問題で、社民党福島みずほ議員の協力を得て、関西生コン関連労働組合連合会(以下、労組連合会)が厚労省への要請行動を取り組んだ。
この間、各地域の職業安定所で、日雇雇用保険手帳の更新時に、書面への署名捺印を強制的に行わせている。
このことについて対応した厚労省職業安定局雇用保険課課長補佐仙田氏は、厚労省として指示をしたとした。問題点はいくつかあるが「内容には問題ない」と回答してきたが、連合会側からの質問に対して、何ら根拠のない回答しか出てこなかった。
※連:労組連合会 厚:厚労省
連:手帳新規手続き時には、労供組合の在籍証明書のみで手帳が発行されるが、更新時に組合に在籍証明書の発行を要請しない点は何故なのか?
厚:組合は関係ない。個人の申請なので…。
連:組合は厚労省認可団体であるにもかかわらず、事前に認可組合に対して説明責任はないのか?
厚:説明責任はないと考えている。
連:京都のみで現在おこなわれているが、今後、全国的には同じ対応をとっていくのか否か?
厚:内容的には、同じやり方をするかどうかは決定していないがおこなっていく姿勢である。
等々のやりとりの内容であった。厚労省のあまりにも供給事業組合を無視した対応に、労組連合会側は、労組間で協議を行い、再度要請していかなければならないことを確認した。
◇不正をさせる雇用主、襟を正すべきである◇
この要請以降、各マスコミで日雇雇用保険問題の記事を目にするが、どの記事も不正受給問題で労働者のみが悪いとされている。
不正受給を行う労働者も悪いが、不正行為をやらせている雇用主にも責任があることを指摘しなくてはならない。
【 くさり10月号・11月号より 】