= バラ業界再建へ =
●業界環境は改善、好機を活かそう●
現在、大阪では、広域協組を中心として歴史的な生コン業界の再編がスタートしている。
その背景には、生コン関連6労組の政策立案能力と行動力による実践があり、その勢いは京都・奈良・和歌山と続き、神戸をはじめとする兵庫エリアにも影響を与えている。
9月27日に開催された近畿バラセメント輸送協同組合(近バラ協)の第20回通常総会記念レセプションで同協組・毛屋理事長は「生コン業界では再建の流れが強まっている。近バラ協の会員拡大と適正運賃収受・共同事業拡大の客観的条件が整いつつあり、私たちはその実現に向かって取り組んでいく」と決意を述べた。
●処遇改善や基金、各委員会で協議●
16春闘の確認事項である、バラ輸送業界の環境整備を実現するために各種委員会が設置された。委員会の目的は、生コン業界以上に比率が高いバラ輸送に従事する非正規労働者の処遇改善と賃金・労働条件の指針づくりとその実行である。
現在、委員会では私傷病や労災事故に対応する基金制度の確立、非正規労働者の退職金制度などについて労使による協議が進められている。
また、業界再建に必要不可欠な員外社の加入促進も協議されており、バラ輸送業界再建に労使が精力的に取り組んでいる。
●再建の鍵を握る、広域協組の姿勢●
さらにこの間、生コン関連6労組は、各セメントメーカーおよび生コン工組・協組に対して「バラ専(バラセメント問題専門委員会)」再開の申し入れを一斉に行った。
バラ輸送業界再建と労働条件向上の「カギ」は、大同団結した広域協組がリーダーシップを発揮し、バラ輸送運賃の底上げに向けての指針を打ち出すことだ。
このことは「大阪広域NEWS(創刊号)」のなかでも触れられている。そこで広域協組の執行部は「高い品質を確保するためにも『適正価格』の確立が不可欠」であり、「今回の生コン価格については、値上げではなく値戻しであることを理解してもらいたい」と発言。そして、「今まで頑張ってくれていた我々の下請けの方々への価格も上げ、生コン業界全体に底上げする」と明確に述べている。
早急に「バラ専」を再開し、バラ輸送運賃の「適正化」に向けた指針づくりを進めなければならない。
【 くさり11月号より 】