= 沖縄現地レポート =
沖縄県東村高江では、民意を無視したヘリパッド(オスプレイ離着陸帯)の建設が強行されています。安倍は年内に完成させると臨時国会の席で表明。なりふりかまわず推し進めようとしている。
◆何ひとつ民意聞かぬ、安倍首相の姿を露呈◆
9月26日、安倍首相は衆参両院の所信表明演説で、沖縄県東村高江の米軍ヘリパッド建設について「もはや先送りは許されない」と述べ、年内にも完成させる考えを示しました。
そして、日米同盟の重要性を示しながら、言葉だけ「沖縄の基地負担軽減に全力を尽くす」と強調し、「北部訓練場、4000ヘクタールの返還を、20年越しで実現させる。沖縄県内の米軍施設の約2割、本土復帰後、最大の返還。0・96ヘクタールのヘリパッドを既存の訓練場内に移設することで、その実現が可能となるのだ」と並べました。
しかし、高江では、引き渡されたヘリパッドで既に「オスプレイでの訓練」が行われています。その騒音被害で体調不良を起こした児童もいます。さらに年内にヘリパッドが完成すれば、騒音被害が拡大することは明白です。それでも安倍首相は「沖縄の負担軽減」と理由付け、高江のヘリパッド建設を強行しているのです。
安倍首相にとって高江の住人は負担軽減の対象から外されているのでしょうか?
◆他国の軍事基地建設、自衛隊の加担を命令◆
9月13日には稲田朋美防衛大臣の指示で、陸上自衛隊の大型輸送ヘリCH47での重機・トラックなどが搬入されました。これを「円滑に工事を進めるためだ」などと説明。しかし、自衛隊による外国の軍事基地建設への加担は法律に基づいていません。防衛大臣は自衛隊にそんな命令を平気で出したのです。
防衛局は「環境影響評価書」の「検討図書」にあげていたモノレールの設置を中止し、ダンプのための運搬道路を造成するとしていましたが、すでに砕石が敷設されて、数百メートルもの道路造成がほぼ完成。沖縄県への赤土等流出防止条例の手続きもしないまま違法工事をしています。
また、砕石運搬道路も防衛局と沖縄森林管理署の事前協議書に記載された範囲を上回って樹木が伐採されていました。事前協議書では3ヵ所ある待避所でも道幅5メートル、伐採幅6メートルとなっています。調査した全ての箇所で大幅に上回る伐採が確認されています。
民意がどうか、法律がどうかなど、もはや安倍政権には大した問題ではないのでしょうか。
◆ヒットラーと重なる
独裁的な沖縄いじめ◆
「最大の返還」と安倍首相は言いますが、実際は土地面積が最大なだけであり、米国は「老朽化して使い勝手の悪くなった土地を返還するから新たに訓練場を米軍に提供しろと」言っているに過ぎません。
今後、米軍基地が老朽化したら、同じように移設や新設で既存の基地・施設を整理統合し、訓練場の機能を強化して米軍に提供させられる恐れもあります。
いま、まさに高江や辺野古で起きている米軍基地の問題は、沖縄だけの問題ではありません。
【 くさり10月号より 】