= 「人権問題」学習会 =
2016年7月16日、学働館・関生にて恒例の幹部学習会を開催しました。
今回、労働弁護団の永嶋弁護士を講師に迎え、「労働組合と反差別の課題」をテーマに学習会が進められました。
◆差別は形を変えて
生み出されていく◆
永嶋弁護士は、「担当した裁判事例『大阪市立斎場10名免職事件』・『郵政労働者分限免職事件』・『扇町公園野宿者住民票事件』で一審は勝利判決を勝ち取るが二審ではいずれも敗訴する結果となった」と話されました。
そして、「この背景には、法律や裁判で労働者階級が解放されないのと同じで、差別が支配によって不可避に生み出されるなら、支配のある限り差別は形を変えて生み出され続ける構造があるからだ」と説明。
また、「法律で差別がなくせないとしても、労基法が禁止している差別も最低限のものであり、しかも闘いがなければ最低限さえ保障されない現状だ。それどころか『労働法』は労働者のための法律から資本のための法律に姿をかえつつある」と続けられました。
法律が姿を変えるというのは、労働者のためにあった〝労働時間を規制する法律〟から〝規制しない法律〝へと、さらに〝搾取を規制する法律〟から〝搾取を容易にする法律〟に変わりつつある現状のことです。
本来、安倍首相の一言で、残業時間上限規制や同一労働・同一賃金が実現するはずです。過労死や長時間労働の問題に政府が労働者の視点をもって真剣に取り組めばすぐに改善できるのです。ところが、安倍首相は完全に資本側に立ち、政策の内容は労働者を苦しめるものばかりが目につきます。
◆労組の闘いにより
労働者の人権守る◆
永嶋弁護士は、「職場の闘い、即ち労働組合の闘いによってのみ労働者の人権擁護は実現できる」と語られました。
さらに、「差別分断は資本にとって団結破壊の最大の武器。労働者をはじめ権力者以外の99%の側はあらゆる理由でバラバラにされ、仕方ないと思わされている。差別や不平等をなくすことこそが団結を強めることだ」と解説されました。
◆競争なくし全体に
運動を広げよう!◆
忘れてはならないのは、資本の差別分断攻撃と労働者の団結や反差別運動との攻防戦が常に行われているということです。弱者は団結することで強くなり、差別は組織を弱体化させてしまう。
私たち労働組合は、今後さらに競争しない仲間を増やし、職場から全体へ、職種から全体へ、産業から全体へと運動を広げることが求められているのだと、今回の学習会で再認識することができました。
【 くさり9月号より 】