民意を無視して進められる高江ヘリパッド建設現場
■ 民意を無視して進められる高江ヘリパッド建設現場 ■
世間がオリンピックで盛り上がるなか、沖縄県国頭郡東村高江の集落ではお盆明けの19日から、ヘリコプター離着陸帯ヘリパッド建設が再開された。
ほぼ毎日、警察車輌に守られながら国頭村の砕石場から10トントラックとトレーラーで砂利がメインゲート内やN1ゲート内に運び込まれている。また、G地区H地区で使われる重機もメインゲートやN1ゲートに運び込まれている。
工事用車輌や作業員の進入を阻んで少しでも工事遅らせようと、市民は自分たちの車輌を使ったり、座り込むなど試行錯誤しながら連日様々な取り組みを毎日行っている。
する沖縄防衛局は工事を一刻も早く進めようと、民間のヘリコプター資材などを搬入。民間のヘリコプターで輸送できない大型の重機などは陸上自衛隊のヘリコプターで搬送した。また、この陸上自衛隊のヘリコプターは沖縄近海に停泊している海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」から飛び立っていることも確認されている。
自衛隊のヘリコプターの使用について、稲田朋美防衛相は防衛省設置法4条19号に基づくものだと説明しているが、4条19号は、「条約に基づいて日本国にある外国軍隊の使用に供する施設及び区域の決定、取得及び提供並びに駐留軍に提供した施設および区域の使用条件の変更及び返還に関すること」となっている。防衛省の所掌事務を説明しているだけである。
陸上自衛隊のヘリ重機や資材を搬送
https://www.youtube.com/watch?v=0UCW6zvK6BA
https://www.youtube.com/watch?v=wGSyurayYfY
https://www.youtube.com/watch?v=eRqveeq4vfM
辺野古新基地建設が裁判和解で中断されている。また、陸上部分も工事が再開できない。ヘリパッド建設に躍起になっているのは、稲田朋美防衛相が訪米するときの手土産にしたいだけだろう。
■ 「報道の自由」を奪う機動隊員 ■
市民による反対運動を取材していた沖縄の新聞社(琉球新報・沖縄タイムス)の記者が、機動隊によって強制的に排除された。
この日は、砂利を搬入する10トントラックを止めようとする市民が、県道70号線高江橋(北部訓練場メインゲートとN1ゲートの間)に結集し座り込みを行った。そこに機動隊が次々に市民を強制的に排除。その場で取材していた新聞記者も同じように排除された。その記者は新聞社の腕章を見せ自分が記者であることを訴えたが、強く背中を押され、すでに拘束されていた市民らと一緒にバスの間に押し込められたと言う。
これは明確な取材活動の妨害であり、憲法に保障された「報道の自由」を奪う常軌を逸した行為だ。
当然、琉球新報も沖縄タイムスも警察に対して抗議しており、23日には沖縄タイムスが編集局長名で抗議声明を発表。琉球新報も、21日付の記事で編集局長が以下のように述べている。
「本紙記者は琉球新報の腕章を身に着け、住民の抗議行動を記録するための正当な取材をしていた。現場には県民に伝えるべきことがあった。警察の妨害によって、その手段が奪われたことは大問題だ。
警察官が記者を強制的に排除し、行動を制限した行為は報道の自由を侵害するもので、強く抗議する」
しかし、事件そのものもさることながら、驚愕すべき事態は、警察が記者を拘束するという報道の自由が脅かされるこの大事件に対し、沖縄以外のマスコミはこれを一切報道しなかったことだ。
■ 非暴力の市民に暴力的な機動隊員 ■
この間、抗議活動を続ける市民を機動隊員が強制排除する際にケガ人も出ている。
87歳のおばあさんは、車椅子ごと強制的に排除された。彼女はとっさに機動隊のバスの金具をつかみ抵抗。その時、機動隊員が乱暴かつ強引にバスの金具をつかんでいる彼女の腕を引き抜いた。彼女の指は鋭角な金具に引っかかり深い裂傷(右手小指に5針を縫う切り傷で全治1週間)を負った。
同じ日に63歳男性も機動隊員に膝で胸を圧迫され打撲を負っている。
N1ゲート前でデモ行進していた女性が機動隊員に道路脇へと押し込められ、道路に倒されるような形となり頭部を打撲。出血し緊急搬送された。
また、機動隊員が作り出した人垣のなかに強制的閉じ込め大雨や炎天下のなか市民を拘束。体調不良で緊急搬送された人も出ている。
機動隊員の暴力にも負けず反対する市民は非暴力で抗議活動を続けている。反対する市民が同じことをしたら公務執行妨害で逮捕・拘束されるだろう。機動隊員は任務で市民に暴力を振るっている。
彼らは基地建設に加担し、反対する市民にケガを負わせていることを何も思わないのか。
■ デッチ上げ逮捕までして進めたい基地建設 ■
また、反対する市民を不当な逮捕(公務執行妨害)や一時拘束をしている。
バイクを運転している男性の腕を掴み、急発進したので引きずられたとして現行犯で逮捕。しかし、近くの車輌のドライブレコーダーに一部始終が記録されていた。警察官の指示に従いバイクを止めただけであった。
また、機動隊5人がかりで道路側に押しやろうとしたところを、男性の足が当たった、足を蹴ったとして男性を不当に逮捕。のちに「腹部を蹴られた」に変わっている。
県道で徐行運転をしていた女性に職務質問をしようとした警察官に向かってアクセルを踏んだとして逮捕。実際は、警官が動画を撮りながら車の前方を歩いて近づいてきたので、よけたところに後方から追い抜いてきた警察車両が前方を塞ぎ、車輌を止めただけであった。
さらに、車から引きずり出して地面に押さえ付け、男性警官が女性のズボンの前後のポケットに手を入れて探った。これは全くの人権侵害である。
県道70号で砂利を運搬するダンプカーの阻止行動をするため、車両を道路中央に駐車した60代とみられる男女を往来妨害の疑いで逮捕した。連日車両で阻止行動をしていたが、今回逮捕された2人は、車を止めた瞬間を警察に確認されたとみられる。警官が「車輌を移動させるように求めたが従わなかったため2名を逮捕した」となっているが、もし、車輌を動かしていても「職務質問をしようとしたところ急にアクセルを踏んだ」などを理由に逮捕されていたのではないだろうか?
■ レッカー移動される車輌 ■
https://www.youtube.com/watch?v=f3bQY40A_8g&feature=youtu.be
彼らは工事が思うように進まず、地域の住民から非難され、市民運動が大きく拡がりを見せるなかで、過激な反対を抑止するために自分たち機動隊員が必要であることをアピールするために、デッチ上げ逮捕を繰り返している。
全国から集められ市民が反対する工事を進めるために護衛していることを隠そうと必死になっているのだろう。
■ 警察車輌で作業員を搬送 ■
ヘリパッド建設工事に関わる工事関係者を機動隊の車輌に乗せて運んだことも明らかになっている。作業員の輸送について県警は「警察官が(足止めの)現場からゲートに戻る際に、同じ方向に歩いて向かっていたこともあり、安全確保と(トラブルの)予防措置のため乗せた」と説明している。
小口弁護士は「不偏不党・公平中立であるはずの警察官が、工事事業者に便宜を図った。警察法第2条1項で定める警察の責務を逸脱した行為で責務を離れた行為をすることを警察法は明確に禁じている」とコメントした。
■ 「任意」なのに免許証の提示を強要 ■
また、警察による車輌規制が現地で行われているが、弁護士が確認すれば「任意で規制をかけている」と回答するが市民は規制された中には入れらせてはもらえない。
理由を聞いても「規制がかかっている」としか答えない。入れない、答えないどころか通行する市民に免許証の提示を求めている。本来なら免許証の提示は「無免許」「酒気帯び」「過労運転」「大型免許規制」の規定に反した車輌などを運転していると認められる場合に限られているはずである。
「任意で行っている」と言っているが提示しないと通さない。警察官にそんな権限があるのだろうか?
彼らは反対する市民を工事ゲートに近づけたくないことが明らかだ。違法なことを取り締まるのが彼らの本来の仕事であるはずなのに、自らが違法なことを行っていることに気付かないふりを続けられるのはなぜだろうか?
今でも、高江の住人はオスプレイの騒音で体調不良を起こす人が出ている。政府は「沖縄の負担軽減」と言うが、オスプレイ使った演習によって増加する騒音などの被害を、高江の住人に押しつけることになる。
北部訓練場の面積が減るだけであり、住人の負担は増加する。
これが本当に「負担軽減」になるのだろうか?
【 記事: 現地闘争団 】