新年明けましておめでとうございます。 組合員の皆様、ご家族の皆様におかれましては希望に満ちあふれた新春を迎えられたことと存じます。
<終焉を迎える資本主義 時代は大転換来に入る> 昨年は世界的規模で資本主義が終焉に向かった年でした。資本主義とは市場原理主義、弱肉強食の競争原理です。 その手法の一つは規制緩和。これによって徹底的に競争させます。 二つ目は民営化。公共財を大資本に渡して、金儲けの仕組みをつくることです。 三つ目は社会的支出の抑制。国や自治体の支出を抑制し、医療・福祉・雇用などへの予算を削ることです。 この三つの手法で資本主義を延命してきたのですが、それが破綻したのがリーマンショックであり、欧州での財政危機。そして、米国の債務超過です。 日本では2年前に民主党政権に代わり、国民本位の方向に政治をリードすると言っていました。政・財・官のトライアングルを変えていく。子ども手当支給、年金充実、雇用の規制強化をうたっていました。 しかし、この2年間、それとは全く違うことが行われました。普天間基地問題では従前の移設案に逆戻りしています。また、米国と大企業に対する規制強化、大企業に負担を求める税制改正など、すべきことをせず、消費税増税に進んでいます。東日本大震災への対応でも、米国が「トモダチ作戦」と言いながら、日米同盟強化のための訓練としてそれを利用しています。 その流れの中で、昨年11月に大阪では市長・府知事選挙があり、大阪維新の会が圧勝しました。これは政治の閉塞感、自民党・公明党・民主党がほとんど変わらない政策を実行していることに対する府民・市民の反発によって票が流れたのです。 ここから教訓としなければならないのは、戦前のドイツでヒトラーが誕生したときと今が似ているということです。維新の会がやっているのはナチスと同じ手法です。今こそ歴史から教訓を得て、本質を見る目を持たなければなりません。 <生コン業界に反動の嵐 メーカー支配は限界に> われわれは一昨年(2010年)、生コン業界の中小企業を生き延びさせるために、長期ストライキをもってゼネコンに生コン値上げを認めさせました。しかし昨年、大阪兵庫生コンクリート工業組合と大阪広域生コンクリート協同組合の人事・運営をセメントメーカーが乗っとってしまいました。 そして、「出荷量の確保」を名目に生コン価格を下げ、さらには「労働組合と距離を置く」と言い、労使連携路線を破壊したのです。 こういう間違った方針を繰り返した結果が、T商事の倒産です。 T商事については、公表の負債額は120億円あまりですが、実際にはもっと多くの被害だと言われています。これは広域協組・メーカーの間違った方針の結果ですが、T商事の代表者は莫大な被害を与えながら説明責任を果たさないまま突然会社を倒産させ、それにより生コン工場など約10社が倒産しています。よって、責任追及が必要です。 同時に、メーカー主導では業界再建は無理だということがはっきりしました。中小企業が軸になって大同団結する。そして、メーカー支配・介入の排除。対等・平等・互恵の精神に基づいた労使関係の確立。共注共販、安定供給、品質保証、新技術開発などの推進。また、社会資本政策研究会を発展させ、中小企業の権益を保障する法改正や法律を有効活用するための議員との連携構築。これらを積極的に取り組むことによってのみ、業界再建は可能です。
<闘えば必ず成果出る年 確信持って一層奮闘を> 今年は何をするのか。震災の問題では、現地の事業協同組合・漁協・農協・生協・市民がまちづくりの共同構想を練り上げる必要があります。また、地元中小企業への優先発注。ポーラスコンクリートの活用。これらが復興に必要な課題です。 原発問題では、日本にある全原発を直ちに廃棄すべきです。原発なしでも電力が賄えることは立証済み。人類と共存できない放射能を生み出す原発は、建設すること自体が間違いです。 また、在日米軍基地は直ちに撤去すべきです。その根本には日米安保がある。日本の平和と自立・独立を実現するためにこれを破棄しなければなりません。 さらに、復興税や消費税増税で国民に犠牲を転嫁しようとしていますが、そうではなく、大企業の負担増や海外資産売却で財源を捻出すべきです。 年金問題では、制度を改悪し、受給開始年齢の延長、受給額減額を画策しています。これは「国家的詐欺」。年金改悪は一切認めません。 そして、TPPは市場原理主義を再度導入するものです。参加すれば日米の大企業が勝ち、中小企業・労働者・農民・医療などが犠牲になるのは明らかです。そのもう一つの側面は、日米を軸とする、中国への戦争挑発のための安全保障であり、軍事同盟的要素があります。国民の平和と民主主義を守る点からも認められません。 業界に対しては今日までの約束事項の実行を迫り、各課題について政策協議会が主導して政策闘争を追及します。これを12春闘の中心課題として取り組みます。 情勢は今掲げた課題を実行しやすいものになっています。米国や日本の大企業、ゼネコン・セメントメーカー・生コン業者の力は衰退。支配者は自らの政策で階級矛盾を激化させています。敵の攻撃が団結条件をつくっているのです。時代状況に確信を持つことです。 そして、われわれは「資本主義は終わる」と主張し、事態はその通りに推移しています。また生コン業界を民主化するには、先に述べた政策しかないことが明らかです。歴史から見た現在の到達点に確信を持つべきです。それによって、われわれの運動の飛躍的な発展は約束されているのです。 さらに、われわれは主体的力量を高めるための方針を昨年11月の執行委員会で確認し、取り組んでいます。不退転の決意で組織拡大・反権利侵害に取り組む。重点課題に全力を挙げる。執行部が先頭に立ち、「結果を出せない場合には責任を取る」ということです。 かつてない決意を固めているので、結果が出ることを確信しています。「大躍進の年」「輝ける年」になるという思いを持って、今、新年を迎えているところです。
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